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マラソンで、こんな食品がこんな効果があるって知ってた?

マラソンのスタート前に、BCAAやMCTオイルを摂取する。足の攣りに、芍薬甘草湯を摂取する。ゴールした後に、プロテインを摂取する。効果あるかないかは別として、そんな光景はよく目にします。他、イミダゾールペプチドやカフェインなんかも、マラソンの際のサプリメントとして有名です。
ですがここでは、一般的にはあまり知られていないけど、一応エビデンスがあるものを挙げてみましょう。

1.速くなるために効果があるミントオイル・メントール

ブラジルからの研究で、男性の市民ランナー14人に対して最大酸素摂取量の70%の強度のランニングを疲労困憊になるまで行ったところ、プラセボの場合は98.5±6.2分だったのに比べて、ペパーミントのエッセンシャルオイルを加えてランニングした場合は109.9±6.9分でした。ペパーミントをランニング前に摂取した場合、疲労までの時間が11分延長したとの結果でした。
同様の研究は、日本でもされています。元の文献は見つけられなかったので、その研究者である永富教授を取材した記事をリンクしますが、ミントの成分でもあるメントールを飲用すると、水を飲用したときと比べて長く走れています。前述のブラジルの研究では、長く走れる原因は不明としていますが、この記事では脳のセンサーを刺激して、息苦しさを感じにくくなると記載されています。

速くなるためにいろいろ試したい!という方は、ミント・メントールはいかがでしょうか。研究は走行時間が25~100分の範囲の報告なので、5~20kmあたりの大会で使用するのをおすすめです。

2.足のつりにマスタード・ピクルスジュース

酢やシナモン、カプサイシン、ショウガなどの成分は、以前のNoteで書いた通り温度感覚性受容体を刺激することで、足のつりを低下させる効果があるといわれています。
最も信頼性のあるデータがあるのはピクルスジュースで、2014年のアメリカの文献では単盲検試験がなされていて、少量 (<100 mL) のピクルス ジュースを摂取すると、水を摂取するよりも 37% (49.1 秒) 速く、何も摂取しない場合よりも 45% (68.6 秒) 速く痙攣が緩和されています。酢と塩から造られるようなので、ない場合は酢で代用もいいかもしれません。
さらに安全性の検証として2014年のアメリカの同大学からの報告されていますが、激しい運動のあとに135.24±22.8gのマスタードを摂取して、本当に安全なのかを試しています。 残念ながらここでは、足の攣りに対する効果は言及されていませんが、一応安全性は問題なかったと報告されています。
そして文献ではありませんが、運動を解説している海外のサイトでは、酢とマスタードとピクルスジュースがいいよ!なんて書いてあったりします。特に長距離レースを走る人はよくマスタードを食べている。無料だし持ち運びにいいし防水性もあるから、脚の攣りに対して人気だなんて書いてあります。

3.マラソン後の筋肉痛に抗酸化食品、特に植物性ポリフェノール

マラソンを走った翌日、足が痛くて仕事だったり観光どころではなかったことはありませんか?そんな方にはロキソニンや交代浴・・・もいいのですが、野菜果物や、コーヒーなどの抗酸化食品がいいとされています。
実際の研究ではチェリージュースやビルベリージュースなどを用いたものがあります。一つ文献を挙げると、市販のチェリージュースを用いたもので、運動前4日間、1日2回130ml飲用したところ疼痛のスコアが、

                  pre      24hr       48hr      72hr
ジュース   6±5    60±32   44±28   10±8
プラセボ   7±6    93±51   90±56   33±25

と有意に低下しました。疼痛がスコアが30~66%低下しており、効果の高さがうかがえます。ですがそれ以外の文献を読むと、「効果は限局的であった」や「効果に差はなかった」との報告もあり、おそらく個人差もあると思います。
特に、普段抗酸化食品を摂取しない人や、抗酸化力の低い高齢者は効果があると理論上は考えたりします。ロキソニンを飲むより、レース前に抗酸化食品、特に植物性ポリフェノールをとるのはいかがでしょうか。

4.余談「ランナーの限界」

この記事も驚きました。高橋昌一郎先生の、「「限界」を知ることの面白さ」の記事です。そのなかで100mやマラソンのタイムの限界は?についての記述があります。本を読んでいないので詳細はわかりませんが、1時間48分!?1km2分34秒ペースでフルマラソンを押し切れる方が将来現れる?

Yahoo!ニュースになかなか書けないことを含めて色々書いてみました。話のネタ的にいかがでしょうか。


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