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1000人の転職相談に乗ってみての変化

今週「スタートアップ企業向けの人材紹介」という仕事を始めてみて、面談してきた方が1000人を超えました。ちょっと自分の中で節目ということも有り、少しここ数年の変化を振り返ってみようと思います。

この仕事を始めるとき、未経験の自分を雇うことを決めてくれた当時の社長は「一度はエージェント業に身を置きながら離れてしまう方が多いことにもさみしさを持っています。」と話していました。

それから、早5年。確かに、一緒のタイミングでこの仕事を始めた人の多くは別の仕事に就いたり、別のアプローチで社会に貢献しています。所属している組織の社長も二度変わりました。想像以上に変化が激しかったです。そんな中、自分は運良くこの仕事を続けることが出来、職場も職務も大きく変えずにコミットできています。これは変化の激しい時代、しかも特に変化が激しいベンチャー・スタートアップにおいて、非常に幸せなことなのかもしれません。

約2年前「楽しくやれるかどうかは自分次第」ということに気づき、出来る限り、今の立場や状況を面白がり、全ての出会いそのものを味わうように日々を過ごしてきました。去年、京都に移住したのも変化の激しいスタートアップの業界に関わる上で、自分自身、変わるべきものと、変わらないでおくべきものをしっかり考えたいという意図もありました。東京の変化に一人のビジネスパーソンとして流され続けていると、大事なものを見失いそうになりそうだったからです。狙い通り、京都は変化を受け入れつつも「絶対に変わらない、意志を持って、みんなで大切に守っているもの」が沢山あり、日々学びになっています。もうすぐ、そんなものの代表例「祇園祭」が始まるので本当に楽しみです。

相談に乗ってきた1000人の方々の立場や役職、希望は種々様々でしたが、個人としては、下記3点を意識して相談に乗ってきました。

①とにかく、同年代の力になること
→前職の不動産営業だと自分の深く関わることになるお客様は「地位があるか」「お金があるか」の2パターンでした。もちろん、地位やお金を否定しているわけでは有りません。しかし、それを既に手にした方を相手にするというよりは「これからより良い未来を自分の手でつかんでいく」もしくは「既に地位やお金もあるが、更に世の中のために多くを求める」「違った形で希望を叶えていこうとする」同年代の力になりたいと考え、この仕事を始めました。

②未来を切り拓く手伝いをすること
→ただ既存の延長線上で相対的に、その方にとって手に入れやすい選択肢を選んでもらうのではなく、そこにストレッチな変化が加わって、再度、力をいれて自身の力で切り拓いていくことが必要な「未来」を望んでいる方の手伝いをすることを意識してきました。常に道なき道を切り拓こうとする先人達がいるからこそ、今の世の中があると思うと、そういった方の母数を増やすことに意義があると考えたからです。

③既得権益や世の中の仕組みに抗い続けること
→今の世の中の仕組みやルールは意味があって存在していますが、時に不都合や不条理を感じる人もいるはずです。そうした生きづらさを抱えていたり、時には憤り、悲しみ、苦しんでいる方と共に、既存のルールや今の仕組みに抗い、新たなチャンスを掴む手伝いをしたいと考えています。ルールに従ってやり切るのも大切ですが、ルールや仕組みを作る側になることで、世の中をアップデートする手伝いをしたいです。

①~③のように、改めて仕事を通じて実現したいことを言語化してみると、1000名お会いして、その中でも、自分と深く関わってくださった同年代の皆様が、自分の希望を叶えてくれていることに気付きました。数年前に宣言通り、道なき道を切り拓いた方が出世したり、業界を変えるためにサービスを立ち上げていたり、後進を育成していたり、キャリアアップを重ね、さらなるチャンスを掴んでいたり。そして、今もチャレンジを続けている報告の、その一つ一つ全てから勇気をもらい、間違ったことをしているわけではないと確信を得て、更に相談に来てくれる皆様のチャレンジを自然と後押しできるのかもしれません。

もちろん、相談いただいた皆様全ての力になれたわけではありませんでした。自分は結局、何か特別なサービスを提供できるわけでもないですし、世の中には、多くの矛盾が存在し、解決が難しいことばかりです。でも、だからこそチャンスがあり、面白いとも言えます。その面白さに、やみつきになっているのかもしれません。

改めて、1000名の自由意志による「意思決定の構造」に興味があり、上記の本を手に取ってみましたが、その人の選択や運命はほとんど遺伝で決まっているそうです。(これだけ聞くと、人生面白くなくなりますよね。)そして、生育環境も選択に大きく影響するのも科学的に証明されたそうです。(それこそ胎内から決まる部分もあるそうなので、これから子育てを控える方にもめちゃくちゃおすすめの本です。)それでも、その構造を理解した上でなお、自由意志による選択で未来が変わることを示唆している良書でした。

これからも自由意志の下、今の自分から変化を強く望む方々と共に、自分自身も挑戦を続けたいと思います。大した変化を望まなくても、変化させられる時代なら、面白がって変わり続けたいですね。1000名の相談に乗って起きた自分自身の変化といえば、こうした言語化ができるようになった、ぐらいなのかもしれません。

そして、これはAIには出来ないはず。
せめて、人間らしく。

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