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ノートを取るためのアウトライン・プロセッシング

※この記事は、ブログWord Pieceで公開した「アウトライナーフリーク的ノートテイキング」をリライトしたものです。


アウトライナーでノートを取る

昔から、アウトライナーは「ノートを取ること」にもっとも適した道具だと思っています。ノートと言ってもいろいろありますが、ここでは講義や講演のノートを取ることについて考えます(もちろん他の用途にも応用できます)。

WorkFlowyのようなズーム(フォーカス)機能を持ったプロセス型アウトライナーを使うとしましょう。「社会心理学」の講義ノートだったら、好きなところに

●社会心理学 2024/02/14

というような項目を立てるだけです。その下にノートを書いていけばいいのです。大学の授業のように複数回あるなら、以下のようにすればいいでしょう。

●社会心理学
 ●2024/02/14
 ●2024/02/21

これで一年間の講義全体をひとつのアウトラインとして扱えます。

「重要なことだけ」書こうとしない

アウトライナーでノートを取るなら「重要なことだけ」書こうとする必要はありません。仕事の打ち合わせのメモや業務日誌なら「重要なことだけ」でもいいでしょう。でも、講義や講演のように「その内容自体がコンテンツ」の場合は事情が違います。

ある話題が重要なのか重要でないのかをリアルタイムで判別できるとは限りません。語りは順を追ってリニアに進んでいくものだからです。重要ではないと思ってスルーした話題が実は重要だったと後からわかることもあります。

親切な話し手であれば、重要ポイントを充分に強調してくれるかもしれません。でも、話し手が重要だと認識していることだけが重要とは限りません。どれほど親切な話し手でも、重要だと思っていないことは強調してくれないしょう。

問題は、重要ポイントをリアルタイムで判別しようとすると、その行為自体に認知資源を消費してしまうことです。結果として肝心の内容がおろそかになったりします。重要ではないと思っていた話題が重要だったと後から判明したときキャッチアップしようとして今話されている内容を聞き逃がす、などです(実話)。

同じ理由で「整理して」書こうとする必要もありません。世の中にはそういうことができる人がいることは確かですが、そうではない人が無理をする必要はありません。

アウトライナーでノートを取るなら、話されたことを話された順にがりがりと書き取っていくのが、結果的にはいちばん効率的だと思います。もちろん「えーっとですね」とか「まあ、そのー」まで一字一句書き取ることはありません。そのあたりはコモンセンスで。

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