「起こったことは仕方がない」

ある男が言った　わたしの父だ

うん、そうだね

そりゃそうだよ　誰でも知ってるし

浅いんだか深いんだかわからないセリフ

こころに少しも刺さらないことば

放たれたことばは　父とわたしの空を

ふらふらと頼りなく漂うばかり

次のことばもみつからず

結局　わたしが気を使って父の興味のある話にすりかえる

おいおい　この状況でよくそんなこと言えたな

あんた　自分がそうなっても同じこと言えんのか？

と、だいぶ時間がたってから思った

忘れてもいいけど　忘れてはいけない気もしている

親子ってなんなんだろう

こんな親だから　自分も…と思う

自責と後悔　洞察力のなさを憂う

落ち込みの3段階とやらを突き抜け

底辺まで落ちてしまえ

底にタッチできたらあとは上を

見上げるだけ

この宙ぶらりんの　無責任な立場を

恨んでいる