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たくさん眠る 【130/1096】

130日目
たくさん眠った
こんなに眠ったのはいつぶりか

気だるい寝起きがつづく日々
朝の支度を終えてから
また寝ることはほとんどない
起きてしまえば
体は動くし
やることは果てしなく
出かける場所もありあまる
朝日が気持ちよく注げば
洗濯物を干しながら
自然と1日の予定を立てはじめる
いつもならね

中学生のとき
作文が得意だと自負していたわたしは
得意げに国語の先生に提出する
「あなたらしい文ね」
そう言われた
揶揄なのだけどね
だってわたしらしい文とは
修飾語が多いの意味だから
ひとつのことばに対して
3個は修飾させていたように思う
大げさなんだね
言い訳としては
多少大げさな方が
ウケがいいと思っていたからです

さかのぼって小学生のとき
読書感想文が宿題にあった
わたしはよく賞をもらっていた
自分を小学生と思いながら
読むであろう大人に向けた
あざとさのバレないギリギリに
盛られた感想文
そこにはこどもらしさを
演出する大げさな表現が必要で
そこがうまくはまったのだろう
当時
読書感想文を熱心に書く子は少なくて
熱心さをアピールしたら
誰かの目に
止まると思っていたのだよね
誰かの目に 
止まりたかったのかな

読書感想文で賞をもらうと
親は喜んだ
喜ぶ姿は嬉しかった
自分が誇らしく思えて
また同じことをくり返す

味をしめたというべきか
その癖が中学生までつづく
国語の先生に
自分のあざとさを見抜かれ
恥ずかしい思いをしたとき
それをやめた
恥ずかしいからというよりは
もう通用しないことと
もうそんな演出が必要ないと
思ったから
そんなことしなくても
もういいのかなって思った
ありがたい指摘だった

それからは
なるべく自分のほんとから
ズレぬように
大げさにならぬよう気をはる
つたなくても
ほんとの気持ちで書いたほうがいい
うまい文章を書くために
残していない
自分の気持ちを残したくて
吐き出したくて書いている

たくさん眠ることができた
いろんな事を思いだす
たくさん眠ったけれど
回復はしない
久しぶりにまた夢で会う
きみの手を取り
「大丈夫だから」と連呼する
全然大丈夫じゃなかったと
目を覚ましてまた落胆する
大丈夫なときは過ぎた
事実を確認するための夢
それでも会えてよかった
眠りは休息にはなる
いろんな引き出しが開く

今日もありがとう
節目はいつかやってくる