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歴史とか宗教とか科学とか鉱物とか詩歌とかも語るかもしれない

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白黒無常追記 南台橋の場所について

橋の特定 おそらく江南桥のことであると思われる。この橋は1971年に万寿桥と仓前桥(中洲桥)をつなげて解放大桥と名前を変えた。 詩人の呂有が「渡浮桥至南台」という詩を書いたことに由来するようだ。 宋代にはまだ浮橋で、宋元宇8年(1093年)に120艘の船をロープで繋ぎ、間を木板で埋めて手すりをつけていたとある。元の1322年に木の橋が建てられ、万寿桥とつけられ、清の乾隆年間に石橋がたてられた。石橋が立つまでは木の橋を立てては流されていたという記録がある。 もし橋で首をくく

    • いかなるときにラーメンを食べるか

      ラーメンを食べるのはどんな日かというと、 うまくいかなかった日である。 人間関係が、仕事が、生活が、 うまくいかなくて最悪の時、 決まった店にラーメンをたぐりにいく。 私は気分と体調のムラが恐ろしくある。 お腹を壊しやすければブレインフォグも起こしやすく、体温調節がうまくいかなくて一歩歩くごとに震えているかと思えば急にハイになりデカい声でなんらかの説明をずっとしている、といった風である。疲れてると頭の中でずっと知らない言語のギャグ聞かされ続けたりするしな。 どれにしても私生

      • まだ絵を描いている

        家に帰ってきたら、きちんとカバンに入れたはずのプリンがひっくり返ってめちゃくちゃになっていた。人生の縮図のようだ。 そんな大した話でもない。 まだ、絵を描いている。 去年の3月に仕事をやめて、同4月から無職になった。 もう遠い昔のことのようだ。 あと8ヶ月したら35歳が終わり、36歳になる。 自分で昔から(受け売りで)35歳までは青年、と言っていた 35歳が、おわる。 この2年間、何もしないで絵ばっかり描いていた。 去年は祖母の葬式があって忙しかったけれど、おそらく私は人

        • 吸血鬼すぐ死ぬ対談:後半

          前回「中半へ続く」と言ったな。 すまん、ありゃ嘘だ。 「吸血鬼すぐ死ぬ」という漫画がある。作者は盆ノ木至。 ギャグ漫画である。徹頭徹尾ギャグ漫画である。 吸血鬼が日常的に跋扈する世界観の現代日本で、魔都「新横浜」に集うハンターたち、吸血鬼たち、新横浜の愉快な住人、新横浜のおそろしい土着生物がドタバタドタバタくだらない事件を巻き起こし巻き込まれオチをつけて畳む、ほぼ一話完結形式の物語群だ。 週刊少年チャンピオンで連載中であり、現在18巻まで単行本が刊行。 このほどマッドハウス

        白黒無常追記 南台橋の場所について

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          吸血鬼すぐ死ぬ対談:前半

          「吸血鬼すぐ死ぬ」という漫画がある。作者は盆ノ木至。 ギャグ漫画である。徹頭徹尾ギャグ漫画である。 吸血鬼が日常的に跋扈する世界観の現代日本で、魔都「新横浜」に集うハンターたち、吸血鬼たち、新横浜の愉快な住人、新横浜のおそろしい土着生物がドタバタドタバタくだらない事件を巻き起こし巻き込まれオチをつけて畳む、ほぼ一話完結形式の物語群だ。 週刊少年チャンピオンで連載中であり、現在18巻まで単行本が刊行。 このほどマッドハウス制作でアニメーション化もして大絶賛放映中だ。 たいへんめ

          吸血鬼すぐ死ぬ対談:前半

          白黒無常、謝必安/范無咎の名前のルーツを探る試み

          白黒無常、謝必安/范無咎の名前のルーツを探る試み。 白黒無常の上司にあたる城隍の廟を中国/台湾のgoogle map上で数えて苗字の分布図と重ね合わせた。 方法としては、google map で中国と台湾、香港、マカオの各自治体ごとに 城隍廟、あるいはChenghuang Temple、City god templeといった名前の寺社、地名を検索しカウントしていくもの。 明確なチェーン店などは極力除外した. google map上で見られる城隍廟の北限は遼寧省。 白黒無常は

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          白黒無常、謝必安/范無咎の名前のルーツを探る試み

          僕の心のヤバいやつ

          これは漫画の感想だ。 「僕の心のヤバいやつ」通称「僕ヤバ」は 桜井のりおさんという方が少年チャンピオンで連載なさっている漫画で 友達がいない中学生の男の子、市川くんと そのクラスメイトで読者モデルなどしているという山田さんという 二人のまったく考え方も人間関係も環境も違う人間が出会う ボーイミーツガール系ラブコメである。 Twitterでしばしばこの漫画について気が狂ってるひとをみかけており、 ちょっと気になったのでこの外に出られない暇をもって 出版されているぶんの単行本と

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          子守唄のおわり

          わたしはひとりだわ。 彼女はぼんやりと考え、あたりを眺めた。辺りは暗いが、ちらほらと灯が見える。その中に、自分の子供たちの住まいがあるのを、彼女は知っていた。 しかし、それは彼女の孤独を何ら癒してくれるものではなかった。 「子供たち」 彼女は暗闇に向けて声を上げた。声は電磁波に乗り、風のように彼女の声を運んでいく。 「子供たち、元気でやってるの?」 ちらほらと返信があったが、それ以上はなかった。 一番近くにいる子供たちでさえ少し離れた場所にいて寄り付きもせず、彼女の腕が届く

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          VOCALOID涅槃入りReplace

          VOCALOID涅槃入りとは私がかいた卒業論文の題名だ。 この話をしたところ読んでみたいという人がおもったよりいた。 自分の論文の序文をそのまま引用すると 「新しいテクノロジーと結びついたサブ・カルチャーは、比較的マイナーであること、また比較的若年層が中心となって成り立っていることから、それだけで軽視される傾向にあるように思う。しかし、かといってテクノロジーやサブ・カルチャーの中の精神性や背景となる風俗を元にした現代的な宗教観については決して軽んじられるべきではない。  無

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          ウルクのりんごのはなし

          をしようとおもって古文書をあさったんだが、ḫašḫur(りんごの実または木)を示す単語のある文献がみつけられない。 アレっと思って親愛なる(私がかってに親愛のきもちを抱いている)ジャン・ポテロ先生の本をあさってみたがここにもりんごの記述はない。 しかし私はこの地域でりんごが獲れると思っていたので、じゃあ底本はどこだ?と探してみた結果、どうも1964年にアドルフ・レオ・オッペンハイムが書いた「死せる文明メソポタミア」の中でḫašḫurを「りんご(またはその木)」と翻訳してしまっ

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          ウルクができるまでの話2

          ウルクになる前の話もうちょっとしますね。 前々回のウルクができるまでの話の時、 ハラフ文化って人たちがウルクになる前にいたよってことを 言ったと思うんだけど、これはだいたい新石器時代の人たちだ。 ウルクは実は、 最初に農業が始まった地域からはちょっと外れた場所にある。 何故かというと、ここの地域はそこそこ雨が降るけれども、 雨だけで農業をやっていくには降水量が心許ないのである。 この地域で農業をやるには灌漑の発達が最重要なのだが、 川から溝を掘って水を引いてくる灌漑の大規

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          ウルクができるまでの話2

          ギルガメシュ王と文字の話

          前回あんな感じにかっこよく締めたけれど、じつはギルガメシュ王がいたかいなかったかに関してはまだよくわかっていない。 ギルガメシュ、ビルガメシュ、ビルガメシなどと呼ばれている彼が、現状「実在しない伝説の王」とされているのには幾つか理由があって、まずギルガメシュ叙事詩成立の時代とギルガメシュ王がいたとされる時代にかなりの隔たりがあること。 現在のところまとまって出てきたギルガメシュ叙事詩はだいたい前1300年あたりにバビロニア語で書かれたもので、その前のものは前1800年くら

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          ウルクができるまでの話

          古代メソポタミアにおいて、都市は丘の上にある。 元から丘があった訳ではない。 当時のあの辺りは二本の大河に挟まれた巨大な平地で、 むしろ湿地帯といってもいいような、 どこまでも平らな土地である。 ウルクはいわゆる「肥沃な三日月地帯」と言われる 冬場にはそこそこの雨量があって、 大きな川があるから水を引くのに困らない、 農業に適した土地の東の端っこにある。 農業は人手がたくさん必要なので、 みんなで暮らす分にはちょうどよかった。 少なくとも前1万年かもっと昔、 もしかしたら

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          ウルクができるまでの話

          差別と相互理解と思い出の話

          差別の話を聞くとTのことを思い出す。 Tは大学のひとつ上の学年で、大連からの留学生である。 私の学部は学部生の1/3ほどを中国からの留学生が、 残りの1/3をその他アジア含む様々な地域からの留学生が、 最後の1/3を日本人学生が占めていて、 授業は日本語で行われていたが、選択制で英語以外に5ヶ国語以上の授業があり、学生のほとんどは日本語をベースにした中国語と英語のちゃんぽんで話をしていた。 その環境の中で自分がその単語を使ったことに差別的な意識がなかったとは言えない。なん

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          検証をすること1

          いろいろあって、本を出すことになったと前回の記事で話した。 私が出す「本」というのは、自費出版の資料集である。 なかなか気が遠くなるような作業なので、 作業の工程を少しずつ記録に残していきたいとおもう。 資料本は割と煩雑で、初心者向けの所謂「ファンタジーを書く人のためのよくわかる◎◎!」みたいな本の次が、いきなり各分野の専門書になってしまうし、文字ばっかりになる。私が過去に描き、また常に目指しているのは、専門書と入門書の丁度中間のガイドブック的なものだ。 普通の本を書くこ

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          中世ヨーロッパの衛生概念

          ゆえあって中世ヨーロッパの食べ物周りの本を出すことになり、 資料と領収書とこれから買わなければならない本のリストに埋もれて 気が遠くなっているわたしです。 さて、このあたりの本を書くことになったとき、 家族含め回りの人間からこういった反応がありました。 「中世ヨーロッパって、不潔で野蛮な中世でしょ」 確かに、現代の人間の感覚からすると理解しがたい部分が あるのは確かですが、はたしてそう一言で済ませていいものか。 一口に中世といっても大分長いので、細かいことは時代時代で

          中世ヨーロッパの衛生概念