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1114,東京はすごい

 キャンパスの中のコンビニに入ると、陳列棚のあいだに人がぎゅうぎゅうに詰まっていた。レジへ向かう人の流れがあるので、一度過ぎた棚の場所には戻れない。カレーヌードルにするか、チリトマトヌードルにするかを一瞬考えてトマトのほうを手に取った。レジの直前にあるパンの棚でメロンパンを追加し、会計を済ませて一旦店から出る。それからまた店の中に入り込み、カップヌードルにお湯を注いで、人混みをかき分けながらやっとのことで抜け出てきた。

 芝生には明るい緑と影でできた映像が投影されているようだった。動き続ける影のゆらめきは見ていて飽きない中毒性があり、眠気を誘発した。日光とその熱を受けた地面はとても暖かいが、風はまだ少し冷たく、その温度差が心地よかった。チリトマトヌードルも風で適度に冷まされて食べやすい温度になっていた。

 夜はシェイクのように冷たい。サラリーマンと薬剤師の話や、今描いている石の絵の話をしながら夜ご飯を食べて街を散策した。ときどきベンチに座ってその風景を眺め、とても薄っぺらい住宅や、蜂の巣のような高層マンションを見つけた。ここ最近は食べ物の話ばかりに着地していたが、寒い中動くと食べ物についてばかりではないいろいろな話が浮かび上がってきた。何もない公園のベンチで警備員のベストをきたおじさんが休んでいた。

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