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私がカサンドラになっていない話

世間的には、いや、マスコミ的には?妻は夫に不満があるのが定説らしい。察してくれない、理解してくれない。大きな長男。わかる。すごくわかる。ただし夫のこととしてではない。自分の父親のこととしてである。(実父は悪い意味での亭主関白)

夫に不満が無い、とは言わない。もちろん夫も私に対して大なり小なり不満はあるはずだ。特に夫の診断前までは、私も夫を異星人のように見ていた。何を相談しても決めることが出来ないし、自分の意見を話さない。夫も、事あるごとに話し合いを持ちたがり、相談したがる私に困っていたのでは無いかと思う。

ただ、診断後は夫の特性を知ることができたこともあり、そういった特性による行動への不満は激減した。それは自分自身が双極性障害なのもあったろうし、兄弟に難病指定の障がい者がいたことも多く働いた。(なあんだ、夫はそういう生き物なのか)となんだか非常に腑に落ちた感じがあって、それからは私に余裕がない時以外は特性に対する行動への不満を感じることがなくなった。読めるようになったことが大きい。(恐らく夫はこのように感じているのだろう、このような反応だからしばらくそっとしておけば答えを返してくれるだろう)という風に、夫の置かれた状況を判断できるようになった。その事によって、無意味な苛々が生じなくなったのだ。

また、夫自身もASDとADHDに対して前向きに知識をつけるべく学び、工夫してきたこと、必要な場合は投薬治療も受けていることで格段に話が通じやすくなった。

元々受動型で他者への攻撃性が無い夫だったこと、また、自身への自己理解を高めようという意欲のある人だったこと。

これが、私がカサンドラにならずに済んだ大きな要因だったのではないかと考えている。





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