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中高生×地域×イノベーション

武蔵野美術大学大学院 クリエイティブリーダーシップコース クリエイティブリーダシップ特論Ⅱ 第2回目 2020/05/25

一般社団法人i.club代表 全国を飛び回り中高生にイノベーション教育をされている、小川悠さんにお話を伺った。


まずは、イノベーションとは何かという問いから。

様々な解釈がある中で、小川さんが考えるイノベーションは以下である。

人々の価値観・行動・習慣が変化するアイディアをだし、普及させ、未来をつくること

辛い作業である、雪下ろし除雪作業を楽しんで行うエクササイズにというアイディア「ジョセササイズ」の例をご紹介されながら、既存の価値感を変えるアイディアが変革を行う社会実装まで行われることの重要性について語られた。

この仕組みでは、今まで除雪費用の掛かる厄介なものであったが、運動と楽しむために東京からお金を払って除雪作業に参加される方が現れるというイノベーションの事例であった。

そして、そうしたイノベーションを起こせる力を教育するため、地方の中高生たちを対象にイノベーションに挑む教育プログラムを実施されている。

これからの時代に必要な力

好きなことで、生きていく

自分の旗を立てる


こうした力が必要であるが、自分の好きを見つけるのは難しい

だから、価値創造というステップから始めるそう。

         現在           未来

内面      ③自己理解    →   ④自己変容        

          ↑

外面(地域)  ②他者理解    ←   ①価値創造

『誰もが自分の旗を立てられる社会』をビジョンに掲げられている

若者の地域離れ

という問題の背景にある3つの足りない機会を創出し、地元に誇りをもち地域資源を活用したイノベーションを目指し中高生が主体的に地域社会に関われるきっかけを提供されている。

①地元の魅力を理解する機会の創出
②世代の枠を越えた繋がりをもつ機会の創出
③未来をつくるアイディアを出すこと 学ぶ機会の創出

さらには旅×イノベーションといったアプローチも実施されており、

旅先の町で、地域を知りイノベーション起こそうとする取り組みも行われている。

個人的には旅×イノベーションというのがとても面白いと感じた。

自分自身は地方出身者で東京に出てきた身であるが、その実際の感覚からすると、地元は好きだけどアップデートのない人間関係が辛かった記憶がある。多少の変化はあれど、中学時代の上下関係が何十年も続いているような空気感、過去の話題や登場人物の変わらなさ。自分に関して言えば学生時代有力者側ではなかったため、たまに地元に変えるとその息苦しい狭い世界の中にずっと身をおくに耐えられないと感じた気がする。

地元でも違う発見や新しい出会いがある、そういう閉塞感を打開できる仕組みはとてもいいなと、旅人と地元民の交流を生む旅先でのイノベーションプロジェクトは面白いなあと思った。

今の若い世代の中高生にとって地元は狭い村社会でなく、人と価値観の流動性が高く、自分が社会に変化を与えられる存在であるのだという認識が当たり前になってくると、私が10数年前に感じた息苦しさ、居場所を守る必死さから解放されるのかもしれない。

大学院卒業したら、地元の祖母の空家を使って、地元の子供達が他所から来た人たち、新しい価値観と関われるような空間を作れたらいいなと構想中であるが、その妄想設計図づくりに大いに参考になるお話であった。

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