情報デザインコース卒業研究制作 ✧ インタビュー第10弾 | 森井 裕史さん
みなさん、こんにちは!
多摩美術大学情報デザイン学科情報デザインコース 卒業研究制作展2023 - 「 」広報部門です。
今回のnoteは、卒業研究制作展参加者へのインタビュー記事の第10弾です。
これから約2週間にわたって全15名のインタビューをお届けしていきます!
彼らがどのような想いを持って今までの制作をしてきたのか、記事を通じて皆様にお届けできたらと思います。
第10弾は、「デザイニング・エモーションゼミ」に所属する森井 裕史さんのインタビューをご紹介します。
✧ インタビュイー紹介
── 普段は主にどんな作品を制作していますか。
森井:家電や雑貨などのプロダクトによる創作表現を中心に、メディアアートや3D printingの研究開発など幅広く活動しています。
✧ 卒業研究制作作品について
── 卒業研究制作で作成した作品の紹介をお願いします。
森井:これは子供のように自由に描くことを目的とした「SOUND PENCIL」という名前の表現道具です。描く動作に応じて「音」が鳴り、色を付け替えると「音色」が変わります。
幼児は見た形が描けません。ゆえに見た形を感覚で読み取り、身体と感受性を用いて自由に描いて表現していると言われています。パブロ・ピカソやサイ・トゥオンブリーら美術家も、幼児と同じように「視覚的な常識」に囚われない自由な表現を求め、生涯描き続けました。
しかし、美術に従事しない大人はこの「常識」に囚われてしまい、自由に描いて表現することが困難になってしまいました。身体の成長とともに表現性が失われていくことは悲しいことです。そこで私は視覚の他に感受性に影響する感覚 “聴覚” を用いて、幼児や美術家と同じように自由に描いて表現できる道具の確立を試みました。
── SOUND PENCILの仕組みを教えてください。
森井:筆記具が紙と接触すると、後に押し出される仕組みになっています。押し出された筆記具が接触する位置に感圧センサを設けて「筆圧」を測定し、筆圧が感知されると角度・加速度センサが起動して「描写方向」を取得しています。この筆圧で“音の強さ(ベロシティ)”を調整し、描写方向によって“音階”を操ります。
筆記具カートリッジには、それぞれ値の違う抵抗器を内蔵しています。SOUND PENCIL本体に筆記具カートリッジをはめ込むことで抵抗器がマイコンに接続して、抵抗値によって“音色”を変更しています。
✴︎ きっかけ・制作を決めた経緯
── この作品を作ろうと思ったきっかけや経緯について教えてください。
森井:情報デザインと美術表現に従事する身として、それら二つの領域を集大成としてアウトプットするには「表現する道具」が最適だと判断したので、それをテーマに制作することになりました。
✴︎ 制作過程
── 制作過程を教えていただけますか?
森井:前半はサウンドプログラミングの勉強と同時並行で電子部品剥き出しの試作モデルを制作していました。後半は最終試作のプロダクト設計や展示計画に時間を費やしていました。
✴︎ 制作を通して気づいたこと
── 卒業研究制作を最後まで終えて、気づいたことや感じたことはありましたか?
森井:これまでプロダクトの展示を中心に活動してきたのですが、今回初めてワークショップ的な形式を採用しました。会期中は常に来場者に触れられ、ある意味では無秩序的な展示になり、とても刺激になりました。
✴︎ 今後の活動・進路について
── 今後の活動や進路などについて、何かありましたら教えてください。
森井:特に何も決まってませんが、いろんな国や土地を見てまわろうかなと思ってます(笑)
✧ あなたにとって 「爆発」とは?
── さいごに、あなたにとって爆発と呼べるものを教えてください。
森井:くらえ!! こいつがビッグ・バン・アタックだ!!!
(インタビュー・編集:武田 秀比古、画像提供:森井 裕史)
インタビュー第10弾、いかがでしたでしょうか。
本卒業研究作品は多摩美術大学 情報デザイン学科情報デザインコース 卒業研究制作展に展示されております。
記事だけには載せきれない、実際に見るからこそ伝わる魅力がある作品がたくさんありますので、みなさまもぜひ会場にお越しください!
第11弾は、「リボーダーデザインゼミ」に所属する井川 脩人さんのインタビューをお届けします。次回もお楽しみに!
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