交わらないふたつ
黄色にも緑でもない大きな並木道を抜けると薄い桃色が広がっている。
銀杏並木と桜並木が交わった、その少し先にあるのが神宮球場。なんだか懐かしい。それは5ヶ月ぶりに訪れたからではない。
ぼくの地元も銀杏並木と桜並木が交差している通りがある。決して両方が色づいていることはない。どちらかが色づいていれば、もう片方は役目を終え次のときを待つ。
春があるから冬がある。そんな関係だ。交わることはないけれども、両方が必要であり役目がある。
懐かしさと少しばかりの情緒を従えての野球観戦。今日の東京は寒い。温かいお茶をサーモスに入れ持っていったのが大正解。ビールを飲む雰囲気でもなく、お茶から手が離せない。
周りのお客さんも冬装備。
季節は春だけれども冬が混じっていた。交わらないはずなのに…。
こちらサポートにコメントをつけられるようになっていたのですね。サポートを頂いた暁には歌集なりエッセイを購入しレビューさせて頂きます。