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沙々杯を一参加者として堪能してみた。

素晴らしき俳句の企画である、沙々杯が大詰めを迎えています。僕は前回の白杯で俳句の世界を知りました。そして今、僕は一参加者として僕なりに俳句を堪能しております。

俳句を通じて日本語の美しさを存分に実感しています。

今回、沙々杯に応募された俳句の中で自分の心がときめいたものを羅列してみました。冷静になると、ただ日本語が並んでいるだけです。それなのに眺めているだけで心が潤っていくのです。

こんなにも美しい日本語を紡ぐことができる人達、心から尊敬します。

畏敬です。

大自然の美しさにも匹敵する言葉の美。その一端をご一緒にご堪能しましょう。

以下沙々杯応募句引用-



ささくれた唇を噛む冬の夜 今頃は炬燵の陰に君がいた 間違えた言葉の先の息白く 跳ね翔んで青天井の手毬かな 住み慣れぬメガロポリスよ冬林檎 飴色の工場のけむり小夜時雨 藍闇に黄金の針や寒の月 護られて白河夜船の行く先は くるくると心あそばせ小米雪に 漆黒に浮かべる灯りのぼんぼりを つくばひに紅のかんざし寒椿 紅絹裏のちらりちらりと雪もよい ふり向いてくれぬ背追う虎落笛 焚き上げの漆黒に舞う淡き煤 内深き冬の泉に身を正し 身を寄せて繋いだ手から春隣 胸掴む追憶の雪紅碧 コトコトと温猫のせて旅を編む 夜神楽や神に捧げん八調子 白銀にひらひら舞し猪の花 八雲立つ出雲初雪誓ふ愛 糸雨ノ夜やゆり籠ゆるる暖炉ノ間 叫べないムンクのような柳葉魚焼く 枯芝に紫黒ニ粒濡烏 婆の掌におさなの拾ふ散りもみぢ あの日から帰らぬ人よ山眠る 深夜便そっと照らすは冬銀河 寒月の照らす舗道に種子ひとつ 薄闇の白き床にも除夜の鐘 液体の四肢凝こごるるか竈猫 重力の精魂果てて軒氷柱 残照の雪嶺を背に戦闘機 霊験や樹氷ヶ原のフラクタル 駆け抜けし先の紺碧鷹一羽 白姫や笙の音に緋の袴舞ふ 絶望をまるっと飲んだ冬茜 去年今年限りある命よ空よ オリオンとサザンクロスの午前5時 君の苦が吾に溶け沁み寒鴉 きみの句はわたしの灯冬薔薇



‐以上

※大切な句をこのような形で取り扱われるのは嫌だという方いましたら、すぐにご連絡ください。

沙々杯のみんなで決める一句の投票も始まっています。明日1月28日の20時まで。

応募者の全ての句を中岡さんがまとめてくださっています。こういう事をできる人も尊敬です。並べられた言葉を見ながら自分がどんな言葉が好きなのか探してみるのも、楽しいですよ。

沙々杯が何故こんなにも素晴らしいのかは、この記事読めば伝わると思います。創作と思いの波長が重なり大きな大きな優しさの風となっているのです。

こんな素晴らしき企画の運営、参加をされている全ての皆さんに感謝ですね。

終わり




ここまで読んでいただきありがとうございます。