【note版書籍】だから仕事がつまらない

Amazonで出版中の「だから仕事がつまらない」のnote版。

Amazonで買うより、こっちで購入した方が、読者にとっても筆者にとっても得。

note版は特別に1章、2章の途中まで公開。

ぜひ購入を。


だから仕事がつまらない


==================
まえがき

現代の若者、いわゆる平成生まれの世代は、昭和生まれの人たちよりも「欲望がない」と言われています。
元マッキンゼー日本社長の大前研一氏もそんな状況を「低欲望社会」と呼び、今の日本のいちばんの問題であると危惧しています。

私は平成3年生まれ。
完全に平成の世代です。
そして、「欲望がない」と言われる同年代の人の気持ちはとても理解できます。

その理由は簡単で「本当に欲しいもの」が見えていないからです。
現代人は「〇〇が欲しい」と言いつつ、それが心から欲しいものではないのです。

昔はこの「本当に欲しいもの」がわかりやすかったのでしょう。

車を買えば生活が便利になる
クーラーを買えば暮らしが豊かになる
テレビを買えば今までにない娯楽を楽しめる

戦後、焼け野原になり食うや食わずの状況の昭和世代にとっては、そのような文明の利器が「本当に欲しいもの」だったのでしょう。

しかし今の世代は違います。
なぜなら、そのようなものは生まれた時から空気のように周りに存在していたから。
なので、昭和の人たちが持っていた「あれが手に入れば、俺たちの暮らしは変わる」という「きらめき」は私たちにはありません。

またインターネットの発達も低欲望社会の状況に拍車をかけているのでしょう。
なんせものごごろついた時から、一生かけても消費できない情報があるネット環境に簡単にアクセスできる時代です。
なので「働かなければ、何もない」状況ではなく「お金がなくても、ネットを使って楽しめる。だから働く気が起きない」のが現代の若者の心境でしょう。

つまり現代人が「本当に欲しいもの」は、昔の人たちが「本当に欲しいもの」とは違うわけです。
なので大衆に訴えかけるようなTVのコマーシャルの中には、現代人が「本当に欲しいもの」は少ないはずです。
なぜなら大衆が欲するものは、もうほとんどの現代日本人は持っているからです。

車も、クーラーも、テレビも、海外旅行も…

ほとんどの人が所有したり、体験したことがあります。
そして、そのようなものでは心から満たされないことがわかっているのです。

しかし、だからと言って現代人に「本当に欲しいもの」がないわけではありません。

私たちの社会の環境にはまだ問題があります。
今が最高の状態とはまだ思えません。
つまり私たちはこれ以上を望んでいます。
「本当に欲しいもの」があるはずなのです。

しかし、多くの人が「本当に欲しいもの」をわかっていません。
その理由は本著の中で語っていますが、「思い込まされた」欲望を持っているから。
つまり、別に欲しくないものを、欲しいと思い込んでいる状況なわけです。

だから

仕事がつまらない…
人生に充実感がない…
先行きが不安…

という心境になります。

人間は何か目標があればそこに向かっていきます。
しかし、その目標を失って立ち往生しているのが現代人です。

何が「本当に欲しいもの」なのかは、その人にしかわかりません。
「本当に欲しいもの」だと思って追いかけていて、実は「全然いらないなこりゃ」ということも往々にしてあります。
しかし、何れにせよ、今のままでは何も変わりません。

なので、現代人が「本当に欲しいもの」に迫っていくために。
つまり自分が望んでいる人生を生きるために、どんな方法があるのかを本著で語っています。

この本の構成をお話ししましょう。

ます1章で、どうしてみんなお金を欲しがるのかについて考察していきます。
それを受けて、2章では、生きるために具体的にどれくらいのお金が必要なのかを実際に計算しています。
3章で、どうしてお金を稼がないと、と思わされているのかについて見ていきます。
そして最終章で、自分の人生を自由に生きるためのお金の稼ぎ方について説明します。

なぜ、仕事がつまらないのか?
なぜ充実感がないのか?
「本当に欲しいもの」とは何なのか?

それを本著で読者の方と共に、解き明かしていきます。

この本が「自分の望み通りの人生を生きたい」と思っている人の一助になることを願っています。


==================

1章 どうしてみんなお金を稼ぐのか

==================
そもそも「何のために」求めているのか?

もっと稼ぎたい…
もう少し自由に使えるお金があれば…
もっとお金が欲しい…

現在、多くの人がそのような悩みを持っています。
書店を見ればお金関係の本や雑誌が多く並んでいることからも、関心の高さが伺えます。
この本を手に取ったあなたも、そのようなお金の悩みを持つ人の一人でしょう。

そんな多くの人が求めているお金。
しかし、そもそも「何のために」求めているのでしょうか?

生きるためにはお金が必要…
新しいスマホが欲しいから…
海外旅行に行きたいから…


と、様々な意見があると思います。

それらは大きく2つに分けることができます。

・そもそも、最低限生きていくための「生活のためのお金」
・自分望んでいるものを手に入れるための「欲望のためのお金」

です。

==================
「生活のためのお金」


「生活のためのお金」とは、最低限生きていくのに必要なお金のことです。
人間はこの地球で生き残っていくことが最大の目的です。
そのために必要なものをお金で手に入れます。

まず考えられるのは「食費」。
人間はご飯を食べないと死んでしまう、とされています。
インドにはご飯を食べずに太陽の光だけで生きているという老人がいるそうですが、普通の人は「ご飯」が必要です。
その「ご飯」を得るためには、自分でご飯を得るか、誰かにもらうかのどちらかしかありません。
自分で畑を耕したり、狩りをして「ご飯」を得ている人もいるでしょうが、多くの人はお金と交換して「ご飯」を手に入れています。
なので「ご飯」を得るためのお金として、「食費」は必要でしょう。


また、快適に寝れる場所というのも必要です。
いわゆる「住居」のことですね。
雨風をしのいだり、体温を保存できるような環境が人間には必須です。
これがないと安心して寝ることができません。
最悪、体調を崩して病気などにかかってしまいます。
なので自分の体力を保つための「住居」というのも生きていく上では必須です。
原始人のように自然にできた洞穴に住んでいる人もわずかにはいるかもしれません。
しかし一般的には多くの人が自分の住居はお金でと交換して、手にしているはずです。
なので「住居」を得るためのお金として「住居費」も必要です。

ちなみに私は20代の頃に日本を野宿しながら徒歩で歩いた経験があります。
その経験からも「食事」と「住居」というのが生きることにおいて欠かせないものだと言い切れます。
逆にこの2つさえ押さえれば人間は死ぬことはありません。
最低限生きていくという上では、上記の2つ以外はあくまでオプションです。
医療であったり、教育であったり、娯楽であったり、そう行ったものは「最低限生きる」ということには本著では含みません。

つまり「生活のためのお金」というのは最低限生きていくための「食費」と「住居費」のことです。


==================
「欲望のためのお金」

また「欲望のためのお金」というのはどう行ったものでしょうか?

綺麗なレストランでご飯が食べたい。
最新のスマホが欲しい。
ハワイに旅行に行きたい。

そのような、生きるのに最低限必要でないもの。
けれども人生を生きる上で欲しいものが「欲望のためのお金」です。


この「欲望のためのお金」には特徴があります。
それは、人によって違う、ということ。

例えば、「三ツ星レストランのフルコース」が欲しいという欲望がある人は大体10万円を用意すれば、それを満たせます。
しかし、「最新のフェラーリ」が欲しいという人になると10万円では到底足りません。

両者とも、その人が心から欲しいものであり、それを手にした時の嬉しい気持ちは同じぐらいでしょう。
しかし、それにかかる費用は人によって違います。

「生活のためのお金」は人によって大きく違うということはありません。
人によっては、必要な食事の量が違うこともありますが、それでも「10倍違う」ということはありえないはずです。


しかし欲望は人それぞれ。
なので人によって全然費用が違う。
それが「欲望のためのお金」の特徴です。

==================
あなたの生活と欲望は何円か?


「生活のためのお金」と「欲望のためのお金」
その2つを得るために、人は働いてお金を稼いでいます。

「生活」と「欲望」を手に入れるために、お金を稼いでいるということです。

ここでお聞きしたいことが一つあります。


あなたの生活と欲望は何円かわかっていますか?


具体的に、「生活」と「欲望」にいくらかかるのか計算したことのある人は、案外少ないのではないでしょうか?

例えば、自分経済状況を多くの人は「常識」で判断しようとします。
なんとなく「収入の3分の1が家賃の適正」だとか「年収100万円だと貧乏、年収1000万円あればお金持ち」だとかいう常識を信じている人が多いでしょう。

しかし、「収入の3分の1が家賃の適正」だと、何をもって言っているのでしょう?
では、収入が120万円ある人は、たとえ独身で家にあまり帰らなくても40万円の家賃が適正なのでしょうか。
40万円も出せば都内でも3LDKが借りれます。
しかし、独り身で家はベッドの役割しかない人に、3LDKの間取りは適正なのでしょうか?
そんなことはないはずです。
寝らたらいいと思っているなら、家賃が安くても、ゆっくり休める部屋を借りたらいいだけです。

また、年収100万円だとどうして貧乏なのでしょうか?
年収が100万円以下の地域はたくさんあります。
例えばインドなら、年収30万円でも生きていくことは難しくありません。
(Numbeo「Cost of Living in Goa」より
https://www.numbeo.com/cost-of-living/in/Goa
1ルピー=1.6円で計算し筆者作成)

またNumbeo「Cost of Living Index for Country 2019」を見てみましょう。
https://www.numbeo.com/cost-of-living/rankings_by_country.jsp
日本は生活費の指数が119カ国中6位の国です。
つまり世界有数に生活費が高い。

ということは、日本よりも生活費のかからない国は大量にあるということです。
つまり日本で貧乏だと思っていても、別の地域に行けば大金持ちのことは普通にあります。
ということは、日本で稼いで、安い海外で暮らせば、お金持ちの生活を楽しめるのではないでしょうか?

「年収1000万円あればお金持ち」という理由もわかりません。
例えば、あなたが人生でしたいことが、ロケットで火星に行ってそこに移住する、だったとします。
するとロケットをチャーターするなり買うなりして、火星にいくことがあなたの欲望なわけです。
下記のデータによると、現在火星に行けるロケットの利用費は66億円です。
(ギズモード・ジャパン「ざっと66億円から。SpaceXがロケット打ち上げの価格帯を発表」より
https://www.gizmodo.jp/2016/05/6_6billionspacex.html)
すると年収1000万円なんかでは全く足りないわけです。
もっと稼ぐ仕事をしたりしないといけません。
周りはどう思おうが、火星に行きたい本人からすると「もっとお金が欲しい」と思うわけです。
それはお金持ちなのでしょうか?


つまり何が言いたいかというと「常識」というのはほとんどの場合「思い込み」です。
こと「人生にかかるお金」に関しての常識は思い込みが多い。
なぜなら、人によって必要なお金は違うから。
つまり、多くの人に共通する「常識」が存在しにくいわけです。

けれども、多く位の人が根拠のない「常識」で、なんとなく選択しています。

飲み会に行くと3000円ぐらいが相場
家を買うと2000万円以上かかるのが普通
服に100万円かけるのは高い

そのようにして根拠のない「常識」でなされた選択が積み重なり、人生になります。
つまり、「常識」で考えてしまうと、人生がその「常識」にコントロールされている、ということです。

また自分の人生を無駄に過ごすことにもなります。
なぜなら、根拠のない「常識」によって、これぐらいのお金が必要、と判断するわけです。
そして、そのお金を得るために、人間は限られた人生の時間を使います。
つまり、大元の判断基準になる「常識」が間違っているのに、それに時間を使ってしまうわけです。


実は、

なんとなくな思い込みをはずして現実を見る。
思い込みでなく、具体的にどうなのかを観察する。

ということは、望み通りの人生を生きる上でとても大切なことです。


では、「常識」を横に置いておいて、生きるためには具体的にどれぐらいのお金が必要なのか、次から実際に見ていこうと思います。
それがわかれば、自分の望み通りの人生を生きることに時間を使えます。

==================

2章 「生きる」ために具体的にどれくらいのお金が必要なのか?

==================

生きるのに必要なお金は具体的にいくらなのか?


では「生きるのに必要なお金」は具体的にいくらなのか?
実際に計算してみましょう。

まず、生きるために最低限必要な「生活のためのお金」について見ていきましょう。
「生活のためのお金」の要素は2つです。

・「食費」
・「住居費」

===============
「食費」

はじめに「食費」について考えてみましょう。

厚生労働省によれば、1日に必要なカロリーは18~29歳で2650kcalとされています。
(厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2015年版)の概要」より)
https://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10904750-Kenkoukyoku-Gantaisakukenkouzoushinka/0000041955.pdf


ご飯100gを168kcalとして計算すると、1日約1.6キロのお米があれば、必要なカロリーを取ることができます。
(CLUB Panasonic「食べ物の摂取カロリーを計算」より筆者計算)
https://club.panasonic.jp/diet/calc/general/all_index.html?itempage=foods_all


また、お米の値段はというと、1キロあたり484.6円です。(2019年1月現在の相場)
(e-Stat「小売物価統計調査(動向編)主要品目の都市別小売価格【2019年1月】」より)
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00200571&tstat=000000680001&cycle=1&year=20190&month=11010301&result_back=1


なので食事を全てお米でまかなったと考えた場合、1ヶ月に必要な食費は2万2932円です。

ここから先は

32,458字

¥ 500

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?