【書籍】禁断の「メディア」の使い方

Amazonで出版中の「禁断の「メディア」の使い方」のnote版。

Amazonで買うより、こっちで購入した方が、読者にとっても筆者にとっても得。

note版は特別に1章、2章の途中まで公開。

ぜひ購入を。


## 禁断の「メディア」の使い方 ##
## 〜触れるメディアで人生が変わる〜 ##


========================
## まえがき ##

現在は、歴史上で「最もメディアが発達している時代」と行っても過言ではないでしょう。
TVや新聞と行った既存の情報メディアに加え、インターネット上にも大量のメディアが存在します。
またSNSも日常に欠かせないものになり、twitter、instagram、facebookなど多数存在します。
複数のSNSを閲覧することは、もはや常識です。

このように大量のメディアに囲まれ、大量の情報が毎日飛び交っている…
それが私たちが今生きている時代です。

そんな、日々何気なく触れているメディア。
では、


触れるメディアによって、人生が変わる

としたら、あなたはどう思うでしょう?

「え?メディアはメディアで、人生とは関係ない」
「TVを見ようがインターネットを見ようが、ただの娯楽。人生には影響はない」

そう思われる方もいると思います。
しかし、実はどんなメディアに接するかによって人生は大きく左右されます。
なぜなら人生は「情報」によって作られるからです。


「メディア」という言葉を聞くと、テレビや新聞、インターネットといったものを多くの方がイメージされるでしょう。
しかし本著を読んでいただければ、教育、人間関係といったものまでも「メディア」であるということが理解できるはずです。

そのような大量のメディアから受け取る情報によって、人生が形成されて行くのです。
ということはどのような情報を受け取っているかを理解していないと、気づかないうちに自分の人生をコントロールされてしまうことになります。

逆に情報をコントロールすることができれば、人生もコントロールすることができるようになります。

人生とは情報で決まる。
情報はメディアから受け取る。

なので、メディアをコントロールすることで、人生をコントロールできる、ということです。

この本の構成は以下のようになっています。

1章では、「人格」とは「記憶」であり、「記憶」とは「情報」である。
つまり「情報」で「自分」という人間は作られていることを説明します。

2章では、「メディアとはどのような性質があるのか?」「どのようにしてメディアから情報を取ればいいいのか」を説明します。

最後の3章で、自分の望み通りの人生を生きることができるように「どのようにメディアを使っていけばいいのか」を説明します。


この本が皆様にとって望み通りの人生を生きる一助になることを望みます。

==================

## 第1章 人生は情報で出来ている ##

==================
## 人格とは記憶 ##


そもそも、なぜ「メディア」というものが重要なのでしょうか?


別にどの新聞を読もうが、テレビを見ようが、人生には関係ないんじゃないの?
自分の好きなインターネットサイトを見ていて、何が悪いの?
自分という人間とメディアは、別のものじゃないの?

そう思われる方が多いでしょう。

しかし実は、自分という人間とメディアというものは、とても深い関係があります。
それはどちらも「情報」という点です。

メディアは情報を伝えるものです。
そして、自分という人間、すなわち「人格」は情報からできています。

自分の人格が情報からできている。

そう言われると奇妙な感覚に陥る人がほとんどでしょう。
ではまず「自分という人間は何なのか?」ということから説明していきましょう。

===================
## 自分という人間は何なのか? ##


あなたは「自分という人間について説明してください」と言われた時なんと答えるでしょうか?


例えば
玉井幸助という名前で、京都府宇治市出身で、帝塚山高校から大阪芸大に入って、ラップを高校生の頃からやっていて…

というように、自分と関係のある事柄、自分が重要だとおもっていることをどんどん並べていくでしょう。

しかし、その情報は「あなた自身」ではありません。
あくまで「あなたと関係がある情報」を羅列しているだけです。

では「あなた自身」という情報とはなんなのでしょうか?
実は、そんなもの存在しないのです。
〇〇=あなた自身、という情報はないのです。

そんなはずはない、自分の顔や体つきは自分だけのものだ。
自分のDNAは自分だけのものだ。

と反論される方もおられるでしょう。


しかし、顔や体つきは自在に変えることができます。
身長を変えることもできます。
見た目だけを持ってあなた自身とは言えません。

また、自分の臓器も、一部他人のものを移植したり、機械に取って代わったりしています。
ペースメイカーをつけた人はごく日常に存在します。
しかし、移植等をした瞬間に、あなたはあなたで無くなるのでしょうか?
自分自身という認識自体は変わらないはずです。

つまり、体つきや顔や臓器は、それだけであなた自身とは言えません。


またDNAに関しても同じです。
一卵性の双子は全く同じDNAを持っています。
しかし、その二人を別々の国で育てれば、別々の言語や文化背景を持ちます。
思考や言語が違う二人は全く同じ人物でしょうか?
違いますよね。
すなわち、DNAを持ってしても、それだけで=自分という情報ではないのです。


では「自分」というのは一体何なのか。
それは「情報の集まり」と言えるでしょう。
つまり1つだけをとって「これが自分自身」と言える情報はありません。
しかし、自分と関係のあるという様々な情報が集まって、なんとなく「自分」というものを作っているわけです。

例えると、雲のようなものとも言えます。
雲は地上から眺めていると実体があるように見えます。
しかし近づいてみると、ただの霧みたいなもののわけです。
これは雲が小さな水滴の塊でしかないことを表しています。
つまり「これが雲!」というたった一つのものがあるわけではありません。
ただ気候や温度の関係で、なんとなく水滴が集まって形をなしているもの、それが雲なわけです。

雲が「人格」、水滴が「情報」といってもいいでしょう。
DNA、骨、肉、内臓、などの物理的なものから、自分の出身、育ち、好き嫌い、人間関係、など情報的なものまで。
いろんな情報が集まって「自分」という人間が形成されているのです。

==================
## 「ビリーフ(信念)」 ##


もう少し詳しく、自分という人格について語っていきましょう。


心理学ではどのような「ビリーフ(信念)」を持っているかが人格を決める重要なものとされています。

ビリーフというのは「神はいる」だとか「悪いことをすれば地獄に落ちる」だとか信仰的なものから、「大企業に入ると安心」だとか「正社員の方が安定している」と言った社会的なものまで、多様なものが含まれます。
人生において様々な判断をする選択材料になるもの。
それが「ビリーフ」と言っていいでしょう。

人生というのは選択の連続です。
そして、それが積み重なりあなたの人生ができます。

例えば「大企業は素晴らしい」というビリーフを持っていれば、就職の時に真っ先に大企業の情報から探し始めます。
また、「起業は素晴らしい」というビリーフなら、就職活動などには目もくれず、ひたすら自分のビジネスアイディアを考えることに専念するでしょう。


なので、人格を形成する「ビリーフ」によって人生が決まるのです。
そして「ビリーフ」とは人格を形成する情報の一部です。

すなわち「情報によって人生が決まる」と言えるでしょう。

======================
## 親と学校教育 ##


ではそのビリーフはどこから習得したのでしょう。


一番大きな要因は「親」です。
子供は育ての親の影響を圧倒的に受けます。
それはつまり子供は親から「情報を受け取る」、「ビリーフを受け継ぐ」ということです。

例えば、親がアイスクリームを食べて美味しそうにしていたら、自分も食べたいと思うのが子供です。

逆に「アイスは体に悪いから絶対に食べない!」という親の元で育ったらアイスに対して「健康に悪い食品」というビリーフを植え付けられて育つでしょう。

田中宏二氏、小川一夫氏の「[職業選択に及ぼす親の職業的影響](https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjep1953/33/2/33_171/_pdf/-char/ja)」
によれば、親の職業が子供の職業選択に大きな影響を与えているのがわかります。

選択に影響を与えているということは、「ビリーフ」の形成に大きな影響があるということ。
つまり親というのは、子供の人格形成において、圧倒的な影響力を持っています。

また、「学校教育」も大きな影響があります。
日本は義務教育で、すべての子どもが教育を受けます。
子供にとって、先生とは権威のある大人です。
なので、先生のいうことは無意識に「そうなんだな」と思って取り入れてしまいます。
つまり、先生や学校で「ダメ」と言われることは、無意識に「ダメ」というブリーフが植え付けられるのです。


どちらも幼少期に体験することです。
幼少期に受け取る情報というのは、特に人格の形成に影響があることはお分かりでしょう。
生まれたての赤ん坊というのは、特定の「ビリーフ」を持っていません。
なので、幼少期に情報を受け取るものから、大きく影響されます。

親と学校教育。

この2つが最も人格形成に大きな影響を与えるものだと考えられます。

=====================
## 周りのあらゆる環境から受け取る情報 ##


しかし、ビリーフや情報を受け取るのは、その2つからだけではありません。
周りのあらゆる環境から情報を受け取ります。

家族、友達、同僚、先輩後輩などの人間関係もそうです。
会話をしたり、相手の行動を見たりして、様々な情報をやり取りしています。

そして、様々な情報メディアからも情報を受け取っています。
インターネット、テレビ、新聞、本…


そのような周りのあらゆる環境から受け取る情報によって、ビリーフが作られ、自分という人格が出来上がります。

では情報を受け取るときに、具体的にどのようにして人格に深い影響が出るのでしょうか?

それは「記憶」のメカニズムがわかれば簡単に理解できます。

=================
## 「頻度の高い情報」と「強い感情をもった情報」 ##


そもそも、自分が持っている情報やビリーフとは「記憶」です。
「アイスは体に悪い」とか「大企業が安定している」とかいう、「判断のもとになる価値観の記憶」を「ビリーフ」と名付けているだけです。

つまり「自分という人格」は記憶によって出来上がっているとも言えます。
では人間はどんな事柄を「記憶」するのでしょうか?


それは「頻度の高い情報」と「強い感情をもった情報」です。


「頻度が高い」とは、接する回数が高いということです。
人間は頻度が高い情報をよりよく記憶します。
例えば、みなさんが英単語を覚える時に、何度も繰り返したりして記憶をしますよね。
あれも、この性質に則っているのです。

なので、一回だけの情報よりも、何度も見たり聞いたりした情報を記憶します。


また人間は「強い感情」を抱いた記憶をより強く覚えています。

皆さんも昔を思い出すと、「卒業式で友達と別れるのがすごく悲しかった思い出」だとか、「親に褒められてすごく嬉しかった思い出」だとかは、「1ヶ月前に食べた晩御飯」より強く記憶に残っているはずです。

なぜ感情が記憶と関係しているのか?
それは生存のためです。

例えば、遥か昔、先祖が狩猟をしていた時代のことを考えてみましょう。
森に生えている、見たことのないキノコを食べたとします。
すると、それが毒キノコだった。
熱が出たり、腹痛がひどかったり、とても気分が悪くなります。
つまり、「マイナスの感情を強く感じた」出来事のわけです。

これを忘れてしまうとどうなるか。
次に毒キノコを食べたら死ぬかもしれません。

なので強い感情を感じた出来事は、強く記憶しているわけです。

そもそも感情とは、自分が生きる上で重要なものに感じるものです。
生きる上で重要なものをより強く記憶するのは、当然と言えるでしょう。

また、実は「頻度」もこの「感情」に関係してきます。
人間は頻度高く接するものというのを好きになるような心理があります。
それを心理学では「単純接触効果」といいます。
何度も接している頻度の高い情報はそれだけで好きになってしまうのです。
メディアで何度も同じCMが流されるのも、この「単純接触効果」を狙ったものです。

つまり頻度の高い情報に対してはより強い感情を抱きます。
なのでより強く記憶される、とも言えるでしょう。


「頻度の高い情報」と「強い感情をもった情報」を人間はより強く記憶します。

=============
## 何気なく使っているメディア ##

ここから先は

15,092字

¥ 500

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?