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遠路はるばるお金の旅

お金は生きるために必要なもの
それ以上お金について
考えることなく生きてきた。


頑張る生き方から
楽しむ生き方にシフトしたとき
お金についても少し学んだ。

それは
効率のよい資産運用の方法だとか
賢い主婦の節約と貯金の仕方ではなく

ごくごくシンプルなこと

自分の好きなもの
やりたいことに
お金を使うということ。


それからどんどん
お金に興味が湧き
こども達にも
試してみたくなった。

十分と思われる金額の
おこづかいを
無条件に渡してみて経過観察。

小学生の長女と次男に
月3000円のこづかい渡して
自分が楽しむために必要なものは
自分で払わせるようにしたら

気持ちよく使ってもいるけど
たまってもいくことがわかった。

中学生の長男に
野球チームとトレーニングの
月謝2万円を含むこづかいを
年払いで36万円渡してみたら

一年が終わる少し前に
月謝にまで手をつけ破綻。

今度は週1000円ずつ
おこづかいを渡してみたら
破綻はしないが
毎週ほぼ使い果たす。

彼に貯金という
概念はないようだ。


お金って正体不明の
つかみ所のないもの

いろんな本や記事を読んでは
なるほどと
わかったような気になり

それでもやっぱり
不思議でよくわからない。

毎月取引先から
だんなさんが経営する会社に
振り込まれる数百万円

そこから下請けさんに
支払われる数十万円

目には見えないのに
「ある」と信じられているお金。

経理の事務作業の仕事は
たいして面白味もなく
なかなか取り掛かる気に
ならなかった私

でも毎月帳簿つけて
通帳に記帳すれば
こんなにお金はあるんだ!と
ニヤニヤできる。

仕事というよりむしろ
テンション上がる
レクリエーション。


財布の中にあるお札と小銭は
確かに「ある」お金

銀行から下ろしてきた一万円札

私が手にするまでに
壮大なドラマを経験してきたかも

もしかしたら
会社から横領して
好きな女にダイヤの指輪を
プレゼントするために使われた
黒歴史を背負っているとか。

罪悪感感じてるかなとか
勝手な妄想をして

次は私が間違いなく
幸せな使い方をしてあげようと
自信満々に思う。


給料日に
経理系レクリエーションを
楽しんで

普段開けない引き出しの
奥を覗いてみたら

私が昔使っていた財布と
コインケースが出てきた。

一万円札2枚と千円札を数枚発見!

数年前なぜかここに入れられて
完全に忘れ去られ
「ない」ものとなっていた
お金さん

幸せな使い方を
するようになったら
ちゃんと生き返って
私の手元にやってきた。


さてこちらはどんな楽しみと
交換するかな

感動の再会を果たした
お金さんを眺めながら
思いを巡らす。


こども達が毎日家にいる
夏休みのお昼ご飯

総務的仕事の用事のついでに
子連れでインド料理店へ。

バターチキンカレーが
最高に美味しくて
こどもも私もお腹いっぱい

幸せの記憶で上書きされた
例の一万円札を
感謝の気持ちとともにレジに出し

これからどんなふうに
上書きされていくのかなと

楽しみ半分心配半分で
店を後にした。

私の日常の幸せや楽しみを綴ったエッセイから何か感じてくださった方には、サポートしていただけると、とても嬉しいです。励みになります。