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畑のむし、家のむし

農業と会社員の副業で暮らしています、たまきちです。

最近、4歳の息子が虫あつめにハマっています。虫が嫌いな母としては、息子がビニール袋に色んな虫を入れて保育園から帰ってくるのが、いやでいやでたまりません。

そんな虫嫌いな私ですが、かたや、畑では農薬を使わない農法で野菜を育てています。オーガニック野菜とか有機農業とか聞こえはおしゃれですが、実際にこれをやってみると、日々、色んな虫と付き合わなくてはならず、おしゃれ度数は極めて低い仕事です。よく農業は3K(きつい、きたない、きけん)と言いますが、残念ながらよく言い得ていると思います。

農業に携わってから5年。不思議なことに、「虫嫌いな私」と「虫だらけの畑で農業をする私」は結構うまく共存できているのです。家の中で虫を見ると背筋も凍りますが、畑で虫をみてもちょいとつまんではじくだけ。そんなことができてしまうのです。

(虫が嫌いな方は以下↓読んでいて不快かもしれません。)

たとえば、今の季節、畑ではたくさんのキャベツを育てています。虫がつかないようにネットをかけるのですが、それでもどうしてもモンシロチョウが卵をうみつけてしまうので、気づくと葉っぱに虫食いの穴がたくさんできてしまいます。私の畑では農薬は基本使わないので、そんな時できることといったら、畑の端から端まで、キャベツの株ひとつひとつ、葉っぱ一枚一枚をプチプチと「しらみつぶし」ならぬ「あおむしつぶし」していくことだけ。これは結構精神的にもきつい仕事ですが、無農薬でおいしいキャベツを作るためには避けて通れない道です。(少し話はそれますが、無農薬で野菜を作る=殺生しない、ということではないのです。これについてはまた後々書いていきたいと思います。)

あ~!一日で何百匹もあおむしやっつけるとつかれるわ~。

なんてさすがに思いますが、でも、その程度です。

ですが、家に帰って、着替えて、さて夜ご飯を作ろう!と台所で野菜を洗い始めたところに一匹でも虫がぽろりと落ちてきたら…もう全身に鳥肌がたって「うぎゃー!」となってしまいます。

本当に不思議なものです。

おそらく、自分の意識の中で、「自然界に虫はいるもの。自分の家の中にはいてほしくないもの」とちゃんと分けているのでしょう。でもこの話、大げさでもなんでもありませんし、気になって他の有機農家さん(特に女性)に聞いてみると、同じようなことを感じている方がたくさんいらっしゃるのです。

なんでしょう。仕事なら我慢できるけどプライベートだとNG、みたいな感じでしょうか。畑のむしと、家のむし。どっちも同じむしですが、かなり扱いが違うのですね。

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