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シンデレラは野獣派フォーヴィスム


「マティス・赤の大きな室内」

自分の欲望に正直で、迷走し続けるエネルギーを持つもの。

フォーヴィスム(野獣派)と名付けられた絵画が大好き。

「黄色と青の室内」

今、東京都美術館で開催されているマティス展へ行きました。
ラウル・デュフィの世界観が好きだけど、マティスは正に野獣的な感覚で、常に牙を剥いてよだれをたらたら制作している感じが良い。

東京で見るマティスの作品は、パリ・ニースのそれよりも冷静に眺められた感じがする。このように気分なんて環境によって、簡単に変わってしまうのだ。

そして、シンデレラの物語を急に思い出してしまった。
「シンデレラストーリー」と言えば、玉の輿的なイメージがありますね。
でも原作はそうではない。
彼女は野獣派なのだ!

シンデレラの原作はフランス人作家によるもので、彼女が舞踏会に履いて行った靴は”vair" 動物の毛でできた靴だったのです。正確に表すと「シベリアリスの毛皮」だそう。

それが、偶然にも同じ発音の”verre" ガラスへと変わって行った。ガラスの靴の方がイメージが良く、ディズニーの世界観にもぴったり。

でも、シンデレラは野獣派ですよ。そうでなければ、継母たちのいじめに遭いながら、お城へ舞踏会に行こうなんて思いもしないし、行動もできなかったはず。

原作者は、そういうキャラクターだからこそ、獣の靴を彼女に履かせて舞踏会へ行かせたのだ。

だって、ガラスの靴ではグラウンディングできなさそう。

大地にしっかりと足を踏みしめて、獣のように生きる強さを持っていたから履かせることができた靴なのではないでしょうか。

allons! 野獣であれ!


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