【既卒就活日記#1】

私は2024年3月、大学を卒業した。
就職も進学も決まっていない。

というのも、コロナ禍に父親が亡くなり、母親が引きこもりになって以来、
慢性的なうつ状態にあったからだ。
一人っ子である私は、突然の両親の不在に適応することができなかった。

もともと私はメンタルが強い方ではない。
留学も、受験も、毎日トイレで嗚咽するほどのストレスを抱えながら、なんとか乗り切ってきた。
今までなんとか持ち堪えてきたエネルギーが、0になってしまった。

卒論というワードを目にするだけで死にたくなってしまう精神状態だった私
は、大学を1年休学することに決めた。心を治さぬまま無理に卒業したら、きっと死んでしまう、そう思った。

大学のウェルネスセンターや心療内科を訪ねた。すぐには予約が取れないことがストレスだった。カウンセラーや医師に自分の置かれている状況を話すと、涙が止まらなかった。
心療内科では、向精神薬が処方された。病院に通うたびに、未開封の薬が溜まっていった。そんなもの順調に飲めたら、心療内科になんて行っていないよな、と思った。

私はプロに頼ることをやめた。
頼っても治らないと思った。
自分で自分の心と向き合い、何をしたいのか、何をしなければならないのかを明確にしない限り、うつ状態は脱せないと悟った。

そこから私は、韓国ドラマに熱中した。
私の憧れは、ソン・ヘギョ。
「ボーイ・フレンド」「ザ・グローリー」「今、別れの途中です」。
落ち着いて困難に立ち向かう、力強い姿に憧れた。
髪型や服装を真似するようになってから、徐々に私の心は救われていった。

その頃、父親の貯金に頼って生活している状況を脱するため、近所のコンビニで夜勤を始めた。
コンビニバイトは馬鹿にされがちのように思う。
しかし、ぜひうつが治りかけてきた人々にお勧めしたい。
お客さんは少なく、一緒に働く人も1人だけ。
人が少ない環境で、揚げ物の機械や床を掃除したり、品出しをする。
これが私にとっては瞑想の時間になり得た。
過去にも未来にもとらわれず、ただ店内を整えることに集中する。
真夜中の休憩時間には、バックヤードでひたすらぼーっとする。
今に集中することで、心の蟠りが解消されていった。

そんなある日、復学するのかしないのかを問うメールが届いた。
もう少し、こうして生活をしていたい、という気持ちもあったが、休学費用や休むことは悪と捉えられがちな社会に生きていることを考え、ギリギリになって、復学しますと返信した。
症状が改善されつつあったとはいえ、ほとんど耳に入らない授業に出席し、やっとの思いで卒論を仕上げ、なんとか卒業することができた。
その先のことを考える余裕はなかった。

私は、ここまでよく頑張って生きてきたと思う。
しかし、社会はこれだけで誉めてくれるような生ぬるい環境ではない。
ひたすら社会のために貢献し続けなければ、人並みの生活を送ることはできない。

この1年は、公務員試験勉強と民間就活を並行して、
焦らずに進んでいくしかない。

私の将来が、切り開けますように。


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