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言語聴覚士の友人に聞いてみた!〜Part1 薬の飲み方〜

言語聴覚士の資格を持っている友人に、私の悩みと疑問をお聞きしました。
総合病院で18年勤務し、現在は嚥下(えんげ)障害についての啓発活動をされています。

取り扱うテーマは薬の飲み方と日常生活で注意することです。
全3回に分けてお伝えします。

Part1では、なぜ薬がのどに残りやすいのか、うまく飲み込むために意識することを教えてくださいました。

私の困りごと

ーー昔から錠剤を飲むのがすごく下手でよくのどに引っかかります。上手に飲むコツを教えてください。

「飲みにくい理由が人によって違うのですが、前提として液体と固形物が同時に口に入ると液体が流れていくのが早いです。なので液体が先にのどに流れてきているのに、錠剤はまだ舌の上にあると、飲むタイミングがずれやすいです。Aさんはどう飲みにくいか自分で分かりますか」

ーー特に口が渇いているときは、錠剤がのどのくぼみに引っかかった感じがよくあります。もう1回、お水をゴックンと飲めばうまく飲み込むことができるときもあれば、くぼみに入ってしまって何回、水を飲んでものどに残ることもあります。

「そうするともう1つそもそもの話があって、お口が乾いてると食べにくいんです。食べ物は舌を使って唾液とまとめて運んでいきます。唾液が滑りを良くしているので、お口が乾いてると張り付きやすいです。パサパサした食べ物も一緒です。なので、まずお水だけを飲む。口と喉をうるおしてから、錠剤を入れて飲み込む。そうすると、滑りが良くなり通りやすいかもしれないです」

「もう1つ、のどに残るのがポイントです。2カ所残りやすいところがあって、喉頭蓋谷(こうとうがいや/こうとうがいこく)と梨状窩(りじょうか)です。専門用語になりますが、一般的に食べる時に気管の蓋(ふた)になると言われる、舌の付け根からつながっている場所が喉頭蓋です。その手前の舌の付け根から蓋の間が谷なのでくぼんでいます。そこが喉頭蓋谷です。その次に食道の入り口に、くぼみがあります。そこが梨状窩です。食道の入り口は普段は閉じていて、飲み込んだ瞬間だけ開きます。錠剤だから一部だけが食道に入って一部だけが食道に入ってないというのはないと思います。Aさんの錠剤が残ってるのはたぶん喉頭蓋谷です」

ーー錠剤を「1回に2錠飲みましょう」と指示が出ている場合に、2錠同時に飲んでしまうととやっぱりどっちかが残りやすいというのはありますか。

「もっとたくさんまとめて飲める人もいるからはっきりしたことは言えないけれど、飲み込みの力が落ちていると、数が増えるほど飲み込みにくいし、残ります。私は病院で働いたので、飲み込みの悪い人しか見てないです。なので、基本的には1錠ずつ飲んでほしい派です。まとめては飲まないで、怖いからと思ってます。やっぱりその人の能力に合わせて飲んでもらいたいです」

ーー私の場合は残りやすいとわかっているなら、1錠ずつ飲んだほうがいいですか。

「それでもいいし、例えばゴックンする瞬間は、あごを軽く引いて、飲んでもらったら、ひょっとしたら2錠3錠でも一気にいけるかもしれないです。まず1錠ずつ練習してみたらいいと思います。錠剤によって大きさや形がいろいろあるから残らないなという感覚になってきたら、2錠にしてみるといいです」

ーー解決策としては、1錠ずつお水をしっかり飲むのとグッっと飲み込むになりますか。

「まずはちょっとお口を潤す。そして1錠をちゃんと今から飲みますよと。これ教科書にも書いてあって嚥下の意識化といいます。みんな無意識に飲んでるけれど、ちょっと意識するだけで飲み込みやすくなることがあります」

ーーなるほど。まず「飲むぞ」って意識するんですね。

舌の上にのせて、飲むぞって意識して、あごを軽く引いて、のどの奥へグッと。そんな感じで飲んでみてください。それだとうまくいくんだったら、潤すことと、姿勢や意識で変わるということです。可能なら舌やのどのトレーニングで筋力をつけてほしいです」

Part2では、引き続き薬の飲み方をお伝えします。のどに薬が残ってしまった場合どうしたらよいかを教えてくださいました。

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