Yahoo!ブログから救出した映画感想。


「ビッグ・ゲーム 大統領と少年ハンター」
テロの標的となり専用旅客機から投げ出された大統領が、大人になる為の通過儀礼の最中の気弱な狩人の子供と遭遇し、テロリスト相手に立ち向かう…というストーリー。ほとんどファンタジーに近い、荒唐無稽の物語で、少年主人公からしても、明らかに低年齢層、ディズニー映画のような印象の内容なのですが、その割には残酷なシーンが多い。出血するシーンこそほとんどないのですが、作中では人が次から次へと、それもかなり悲惨な殺され方をしています。ラストに不条理な場面もあり、これはどう見たって子供向けじゃないよなあという疑問が強く残ります。一体この映画の想定視聴者層って何処?日本の子役さんは現状、「かわいい」か「イケメン予備軍」のふた通りしかいないような有様ですが、外国の映画は「ブサイクだけど愛嬌がある」子役さんを主役に立てることに一切の躊躇がないのがすごく好きです。これを日本を舞台にリメイクして、マタギの子供をオニギリみたいな丸顔赤ほっぺの子役さんに演じてほしいなあ、とか思ったりもしました。

「ブロークン・アロー」
CGが本格導入する前のハリウッドアクション映画って良いですねえ。
マッチョイズム全開!という感じで、「カッコイイ映画を撮るには、男臭い野郎に危険なアクションをバリバリやらせる以外にねえだろ!」と言わんばかりのムキムキな感じがたまりません。
 銃撃に次ぐ銃撃!飛行機ヘリコプター自動車地下施設なんでもかんでも大爆発!親友だったはずの裏切り!巻き込まれたヒロインの跳ねっ返り!(良く考えればあまり頭の良くないけど見てる限りは気にならない)犯人との行き詰まる駆け引き!そして時限爆弾の爆発が迫る走行中の列車内での一対一の肉弾戦!!!
 もうこうして見せ場を書き連ねるだけで血が騒ぐのが止まらない!何も考えずスカッとしたい人は是非どうぞ!

「ナイト・ミュージアム2」
実は1を見ていない(苦笑)。
ですがまあこの手のアメリカ映画はそれくらいで内容が分からないようなヤワな娯楽性じゃないですから、全く問題なく面白かったです。それにしても突如、博物館の中の展示物が全て本物に!なんて発想、誰が考えたんですかねえ。「おもちゃ箱をひっくり返したような」という表現がよく似合う、見せ場盛りだくさん、面白キャラ大集合の娯楽作品の鏡のような映画です。当然ながら登場キャラがアメリカの知名度によって決まるので、少しお勉強が必要な部分もあるけど、そこは返ってお子様向けには良いことなのかも。日本の上野科学博物館を舞台にこれやって欲しい…とは思うけど、このハッチャケ具合はちょっと真似するの難しいのよね、予算以前の部分で。

「身代金」
こういう展開じゃないと思ってたんだけどなあ…という映画が時々あります。「身代金」というタイトルからすれば、黒澤明の「天国と地獄」みたいな、
主人公と犯人との息詰まる駆け引きがメインのストーリーに違いない!
この映画も、確かに、そうには違いないのですが…
雑だよ、あらゆる意味で!我が子を人質を取られたお父さん、犯人に対してまさかのパワープレイ!逆に犯人側を振り回し始めます!
犯人側どころか、世論まで敵に回しつつ暴走を始めるお父さん!
彼を食い止めるのは誰になるのか?!
…いやそうじゃないのですが、実際、途中まではいやこれどうするの?と言いたくなるような方向性で話は進みます。さすがに終盤は王道の、主人公と主犯との息詰まる一騎打ちになるわけですが、そこに至るまでには幾多の犠牲が…
結果、この映画最大の被害者は、人質の少年に優しく接していた、犯人一味の太っちょ弟くんではないか?と思うわけです。

「エグゼクティブ・デシジョン」
CG全盛前のアメリカアクション映画はいいですねえ。
危険な男臭い男を描くには、男臭い男を危険に晒すしかねえだろ!と言わんばかりのコッテリしたキャラクターとデンジャラス大歓迎な肉体アクション。それにしても「ええ?その人がここで死ぬの?」という衝撃な展開から続く緊張感の連続は見どころ十分。この手の映画ではロクな扱いを受けないインテリメガネの奮闘を始め、奪還チームそれぞれの葛藤、アフリカ系アテンダントの勇気など、熱い場面多数のいい映画です。知名度低めでちょっと古いけど、名作アクション映画として、自信を持って人に勧められる映画です!ラストの場面がすごく「ダイ・ハード」だったのですけど、何らかの関連性があるんですかね?

「キューティーハニー(実写庵野版)」
「シン・ゴジラ」で大いなる成功を収めた庵野秀明の、かつての特撮作品です。当時はそれなりに話題になったものの、評価としては当時すでに増加の一方を辿りつつあった漫画原作の実写作品の一つとして括られてしまったように思います。改めて見ると、見所は多いものの、エヴァQ同様の後半の失速感が気になります。
最初の東京湾海ほたるでのゴールドクローとの戦闘シーン。ハイテンポで畳み掛ける、コメディタッチ全開でアニメをそのまま置き換えたようなカットの連続は楽しく見れたのですが、その後、戦闘シーンの度にその軽快さは失われ、シリアスさが増していくに連れてイメージが萎んでいくような印象。序盤に提示される(主に若い)視聴者を引き込むような明朗な世界観が、次第に沈鬱な現実に侵食されていくようなストーリー展開は、庵野作品によく見られるものですが、上手くいかないと話自体が沈んでしまい、映像としての見どころまで薄れてしまう傾向があり、この作品もその一つ、と言う気がします。
ましてアニメではなく実際の人間が演じる特撮の場合、後半に幾らシリアスな展開になろうとも、演者が序盤にコミカルに演じていた印象が十分に消えないので、より不利だったのでないでしょうか。さて、監督の精神状態の悪化により長い停滞を強いられた新エヴァですが、いよいよ作業も本格再開という段階らしく、公開の道筋が見えてきたようです。エヴァQの、明らかに監督のメンタルが壊れきっているような内容、出来を克服して、新たに綴られた作品の真意を見せつけてくれる内容になってくれるのか?

まあ、素直には終わらせるつもりは元からないのでしょうけど(苦笑)

「タクシードライバー」
アメリカ映画のカッコイイ男を描いた作品として、必ずと言ってイイほど名前が上がるこの映画。貧困の中で生きる男の物語を、ひたすらカッコイイとはどう言うことかを追求したような、凝りに凝った画面で描き出す映画です。ストーリーだけ追っかけると、主人公の行動はカッコいいと言うより、ヤバいと言うか、ちょっとアレな感じなんですけど(苦笑)そこは映像と、主人公演じるデニーロさんの存在感が圧倒します。やべえよコイツ、マジで頭ぶっ飛んでんぜ!

途中まではやることなすことデタラメで非常識で、しかし最後には家出少女を救うために立ち上がる…展開としては定番ですが、描きようでこうも印象深く視聴者の脳裏に刻まれます。そのあまりにアメリカンダンディズムを追求した映像は、今みるとコテコテ過ぎるかもしれませんが、一種の様式美のお手本として、一度は見ておくべき映画と言えるのではないでしょうか。

「HACHI 約束の犬」
日本人が見るとやっぱり、色々とねえ(苦笑)とにかくリチャード・ギアが「ハぁチぃぃぃぃ」って言っちゃうだけで笑えちゃうんだから、ちゃんと映画を見ること自体が難しい(笑)ただ実際、日本でこの手の映画を撮ると、まあ間違いなくお子様を見てもらうことを前提にするものだけど、アメリカではそうでも無いのですかね、(露骨では無いにせよ)ベットシーンがあるんですよね、それも2回。製作者側が意識した視聴者層ってどんなんだろ?

今となっては間違いなくCGを使ったでしょうが、このハチ公は全部本物の犬。
やっぱり本物っていいですねえ。「もうちょっとそこは動かないで…」「そこでそういう表情は、ちょっと…」という場面もありつつ、たまに抜群な演技をするとそれだけでグッときます。

やはりギアが退場した後の、失った主人を待ちわびるハチ公の場面は見入ってしまうのですが、なんか全体的にあっさりというか雑というか、ウェットな描写が苦手な洋画らしさが気になりました。(まあ邦画はそこがくどくてうんざりするケースが大半ですが…)CGを使った年数経過描写はちょっと酷かった。ただBGMは印象的で良かったです。評価としては厳しくなってしまいますが、こちらだけ見て、というのも不公平なので、邦画版のハチ公も見てみたほうがいいですかね。そしたら相対的にこちらの評価が上がるかな?下がるかな?

「アンダーワールド:ビギンズ」
相変わらずテレビだと画面が暗すぎて良く分からないこのシリーズ(苦笑)古の時代より続く吸血鬼と人狼の戦い、そのきっかけとなった出来事…。みたいな、シリーズの前日譚です。

そもそもこのシリーズの第1作目が、「低予算なのにスタイリッシュなアクションシーン」で名を馳せたもので、この手のは続編が難しい。予算を足すことがそのままクオリティアップにつながるかといえばそうでもなく。ストーリーには(製作者側も視聴者側も)重きを置いていたわけでも無いから、そちらで引っ張るわけにもいかず。続編は繋げれば繋げるほど袋小路に陥るのが常ですし。

で、話の冒頭以前に引き返し、アメリカ人好みの抑圧からの解放譚に仕上げた今作。見どころらしい見どころがあったかと言うと、ちょっと…そつなくまとめて破綻を防いだ仕上がり、と言う印象ですね。アクションにもそこまで見るべきものはなし。

主人公を含め、人狼は当然、狼の姿に変身するわけですが、主人公のみ顔面に人間の面影を残す造形になっているので、結果、主人公が一番ブサイクな人狼になるという(苦笑)この辺の洋画のセンスは分かりませんなー。まあ、画面が暗くて見分けつきにくいので大して気にはなりませんけど。

とにかく吸血鬼の親玉にして、今作のヒロインのお父ちゃんの鬱陶しさが際立ってます。なんつーか女子高生が「もうお父さんなんか大っ嫌い!」って怒鳴りたくなるガンコお父さんの典型みたいで、いっそ可愛らしい(笑)でもちゃんと殺せよ終盤にはキッチリ仕留めろと思いながら見てました(笑)

更新は不定期ですので、気長に待っていただけると幸いです。Jリーグのサポーターの方はどこのチームでも大歓迎。煽り合いではなくゆるいノリで楽しめたらいいなと思っています。