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デジタル時代の情報発信のリスクと対策

企業・団体向け専門書の位置づけではありますが、いまもはや一億総発信者となっているわれわれがもっと知っておくべき内容がここにありました。

東洋経済新報社刊「デジタル時代の情報発信のリスクと対策」北田明子著。

当たり前の如く天文学的な数量の情報が飛び交う現代の情報発信。当然、それだけ触れる機会のある人の数も多くなるのは必然ですから、それだけ反応も様々なものが同じフィールドを飛び交うことになる。

そのような現代において、実際にどのようなトラブルが想定され、実際に起きているか。そしてそれらがどのような展開や顛末を迎えたか。この著作では近年発生した類例を取りあげて解説し、「では発信者はどうすればよいか」という対応についてもわかりやすく展開しています。

興味深いのは、「トラブルが起きないようにする」でまとめてしまうのではなく、そういった対策を十全に施したにもかかわらず「それでもトラブルは起こる」と断じた上で「実際にトラブルが起きたらどうするか」まで著述されているところです。

企業や団体の広報や情報管理者向けの書籍ではありますが、部署や分掌にかかわらず、「発信する者」だけではなく「受け取る者」つまり部外者目線で客観的に情報を捉えた場合に感じる・読み取る側にもなることを念頭に周知・理解を促すことができる内容となっています。

さらには中学生や高校生であっても知っておいてほしい内容も盛り込まれているので、状況や環境によっては教育現場にとどまらず、情報科「情報」や公民科「公共」などでとりあげてもいいと思いました。

情報発信に興味がある、というよりは、情報発信が生活の糧になっている(収入源になっている、というだけではなく、文字通り日常に不可欠となっている、という意味も含めて)人であれば、この書籍の価格は充分お手頃な設定になっていると言えます。

どのようにすればよいかがわかっていれば、好ましくない方向に向かっている発信者を見切ることもできるようになります。よい発信者になるためには、よい参考書になること請け合いです。
大型書店でお求めになるか、お取り寄せをかけてみてください。

それでは次回の投稿まで、ごきげんよう。

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