見出し画像

Vol.1 3Dプリンタと共に寝る「Adventurer3(FLASHFORGE)の静音化その1」

我が家はワンルームのアパート.
2台の3Dプリンタと一緒に暮らしています.3Dプリンタってみんなが思っている以上に印刷に時間がかかります.10時間以上!なんてことも少なくありません.気長に待っていればそれで済む話ではあるんだけど,夜寝ている間に3Dプリンタが頑張ってくれて,朝起きたら欲しかったものが出来上がっている!これほど時間が有効に使えるタイミングは他にない.

夜寝る前にデータを送信し,印刷を始めた.
少しだけ3Dプリンタの様子を見守る.特に問題もなさそうだったので,僕は部屋の電気を消してすぐ横にあるベッドに入った.

暗い部屋の中,ただただ3Dプリンタが音をたてて動いている.
これは寝れない.
普段,昼間に3Dプリンタを動かしているときはそれほど気にならなかったけど,静かな部屋でそれだけが音をたてている状況になると,より強調されて気になる騒音となる.

僕は3Dプリンタと共に寝たい.


3Dプリンタの音とは

3Dプリンタの動作音で気になる音は大き分けて2つ.
① 3Dプリンタの駆動音(モータやそれによって動くベルトやネジ軸の音)
② ファンの風切り音

個人的に不快に感じる音としては「② ファンの風切り音」だったので,こちらの対策をやっていくとする.

Adventure3に搭載されているファン

今回,ターゲットになった3Dプリンタは「Adventurer3(FLASHFORGE)」
稼働音:45dB / 最大:68dBとすでに静音設計です.笑


Adventurer3には3つのファンが搭載されている.

① プリントヘッドファン
② バックファン
③ メインボードファン


「プリントヘッドファン」を変えたい

特に音が気になった「プリントヘッドファン」の対策をしていこうと思う

1.ファンの選定

まずは標準で搭載されているファンのスペックを調べてみた.

DC3010HB24(Ruiapple)

型式:DC3010HB24(Ruiapple)
寸法:30 × 30 × 10 mm
定格入力:24 V
回転数:10000 PRM
風量:3.8 CFM
騒音値:32 dB(A)

回転数が高く,騒音値もそこそこ.
この高回転が不快な音を出しているのだろうと思う.
(そんなことよりホコリが汚い…)

そして代わりのファンを調べてみる.
風量は同程度(少し大きい),騒音値は1/3以下.ファンはこちらに決定!

OMEGA TYPHOON 40mm 薄型究極静音タイプ

商品名:OMEGA TYPHOON 40mm 薄型究極静音タイプ
型式:CFZ-4110LA(Ainex)
寸法:40 × 40 × 10 mm
定格入力:12 V
回転数:3300 RPM
風量:4.02 CFM
騒音値:10.3 dB(A)

標準のファンは24V仕様なのだが,24V仕様で静音のファンはほぼないらしい.ほとんどのユーザーは降圧して12V仕様のファンを使っていた.このファンは3Dプリンタの静音化でよく採用されていたし,なにより”究極静音”という言葉に惹かれた.価格も800円と安い.

降圧にはDC/DCコンバーターを使う.これで24Vの電圧を12Vまで下げることができる.LM2596MP1584などがよく使われているようだけど,ヘッドカバーの中に収めたかったのでより小型の「MP1584」を使うことにした.
今回は使っていないが,こんないい感じのケースも見つけた.


2.ファンの配線

標準のファンは2ピン仕様.CFZ-4110LAは3ピン仕様.
これは特に問題ないらしい.3ピンは「プラス」「マイナス」に加えて「パルス(回転数をみる)」があるらしく,2ピンに繋ぐ場合は「プラス」と「マイナス」だけを使って,「パルス」は結線しなければ良い.
CFZ-4110LAは「プラス=赤」「マイナス=黒」「パルス=白」なので赤と黒の線を使うことになる.

MP1584の基板にそれぞれはんだ付けしていく.
INには電源,OUTにはファンを,プラスとマイナスを間違えないようにつけていく.基板の裏側に書いてあるからわかりやすい.

電圧の調整は下の写真のところを回して行う.
テスターで測りながら,狙った電圧になるように微調整.


3.ファンケースの設計

標準のファンは30 × 30 × 10 mm,どうやっても40mm角のファンは入らない.仕方ないので,新たにファンのケースを考えよう.
標準はカバーで挟み込むようにして固定していた.この固定方法はそのまま利用することにした.配線ルートも考慮しつつ設計したパーツはこんな感じ.

40mmファン用 ブラケット
ファンカバー


早速印刷.
素材はなんでも良いと思う.僕はPLAで印刷した.
ナット部分はインサートナット(M3 × φ4 mm × 4 mm)を組み込んだ.


4.組み立て

パーツが完成したので組み立てた.ぴったり,気持ちいい.

配線用に設けた溝もちゃんと機能している.悪くない収まり.

プリントヘッドに取り付けてみた.
これまた絶妙なクリアランスで収まっている.なんとなくいけるだろうとは思っていたけど,LED上部のスペースにDC/DCコンバーターもちゃんと収納できそう.よかったよかった.


「究極静音」の実力やいかほど

スイッチオン!


・・・・・・・・・・・・・・・・静か.これは良い.


今までの高回転特有のキーンとした音が驚くほど穏やかに.
これはもはやファンが回っているかどうかもわからない.


見た目もシンプルで個人的には好き.
オレンジ色のフィラメントがアクセントになっている.白色のフィラメントを使えばもっと統一感がでてそれもよいかもしれない.

今夜はいい夢見れるかな...
おやすみ


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?