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ワクワクリベンジ読書のすすめ~『取材学』加藤秀俊著~

今から30年以上前、社長のパーソナルスタッフとして、社内外の情報収集・情報発信を仕事とする部署で仕事をしていた。が、あまりの出来の悪さからか、当時の直属上司から何冊かの書籍を勧められた。というか、読むように指示された。そのうちの一冊がこの著書である。
なんと初刷が50年前というロングセラー。
今の時代でも、情報収集の心構えとして十分に役立つ内容満載である。
 
印象的なのは「材料七分、腕三分」「もの知りにきく」「対談に学ぶ」という記載。個人的には、どれも現役時代を彷彿させる、昔懐かしいメッセージである。
当時、社長から口酸っぱく言われたのが「1日24時間・1年365日、商売のことを考えろ」ということである。つまり商売(ビジネス)のネタは机上にはない。普段の生活の中にあるのだから常に情報のアンテナを高く掲げ、その感度を鋭く磨く努力をするように!ということである。
そこに「よりよい情報」という「(ビジネス上の)好材料」を確保するヒントがあると考える。
 
またこうも言われた。「ノウハウは必要ない」と。
「大切なのはノウフーだ。そこを抑えることができれば効率的に情報収集できる」。
自分がすべて理解する必要はない。〇〇については誰に聞けばよいか。誰が情報通か、など、改めるまでもなく普段のコミュニケーションの中から抑えるべきものということだろう。
 
さらには「学際的であることの重要性」。このことも事あるごとに強く話されていた。
著書の中にも「対談というものがおもしろくなるのは、異質の人間どうしがぶつかり合ったときである」「学際的ということは、他領域の人と、発展的・相互刺激的に対話できること」「すぐれた対談集というのは、大いに読む価値がある。そこにあるのは、ほんとうの学際的対話」などの記載がある。
言葉を変えれば、「学際的」とは知的好奇心を刺激するキーワードであるということなのだろう。
まさにビジネスのベースとなりうるネタである。
 
この著書は上司に指示通りに30数年前に一度読んでいる。実際に付箋もいくつかついている。しかし見事に頓珍漢なところにチェックしているように思われる。
仕方がない。当時の低い仕事のレベルを示しているのだろう。
いまさらながらに情けない話ではあるが。

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