【備忘録】フユノキオク

画像1 蝋梅。早朝、庭にくらりとするほどあまい香りが立ち込めていた。寒々しい静けさの中で、春に導くようにこうして心をあたためてくれるきみが好きだ。だから寒いのも好きだ。冬はつとめて。愛とはそういうことかもしれない。
画像2 いつ迄も枯れることはない。当たり前だ、初めから生きていないんだから。でも生きていないからといって、そのうつくしさが偽ものだとは限らない。不可能を可能にした青。技術もまた、美である。
画像3 ほっと、朝のドリップコーヒー。周りの会話も、キーボードを叩く音も、本を捲る音も、ものを書く音も、ジャズの音楽も、すべてが景色の背景で流れゆく。時の流れを可視化しているようだ。私が此処にいるのもあと僅か。この屈折した朝陽、私が愛した孤独、靄の中の情景。不可逆を尊ぶ。
画像4 海外に住む彼女から、桜の写真と手紙が届いた。元気でいること、好きな仕事を頑張っていること、いつか私と旅できる日のこと。次いつ何処で会えるかな。全く未定だ。お互い行ったことのない、世界の片隅でもいいね。そんなこと考えてたら、気づいたら笑ってたよ。精緻な心で、君の隣に見合う未来を掴みたい。

この記事が参加している募集

スキしてみて

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?