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クジラの住む街(東京都 昭島市)

拝啓 皆様へ

こんにちは。ためまると申します。

お忙しい中、この記事をご覧になっていただきありがとうございます。

私の生まれ故郷「東京都 昭島市」についてお話をさせてください。


昭島市は横長い東京のちょうど真ん中あたりに位置する、田舎でも都会でもない場所になります。

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JR青梅線で立川から10分、青梅方面に進んでいただいたところです。

駅の北口にはモリタウンという商業施設があります。近くには映画館もあり、最近ではヨガスタジオやボルダリング体験ができる「PLAY」という複合施設ができたり、再開発が進む街です。

一方で南部には多摩川が流れています。駅から少し離れると畑が広がっていたり、夏はカブトムシが実家の網戸にとまっていたり、冬は大雪になったりと自然豊かでもあります。

子どもを育てやすい街とも言われています。市立小学校が市内に13校、市立中学校が6校あり、高校が私立含め3校です。自然豊かでありつつ、「太陽こども病院」や「東京西徳洲会病院」などの大きな医療施設もあり、前記の通り商業施設も備わっております。

1954年、以前にあった昭和町と拝島村が合併し昭島市が誕生しました。戦国時代、滝山城(東京都八王子市)が築かれると城下町として栄えたのが始まりとも言えます。その後明治時代には製糸業工場が多く建ち、大正時代には一体が桑畑になり養蚕業が盛んに行われました。

昭和に入ってからは工業が発達し人口増加となり発展していきました。今でも昭和飛行機工業株式会社という大きな会社が本社を置いていたり、中小企業の工場などがあり工場好きの私にとっては嬉しい限りです。

また化石も発掘されております。タイトルにある「クジラ」は、1961年に発掘されたアキシマクジラのことです。人類が誕生するはるか昔は、昭島市が海だったことが考えられています。

昭島市の魅力はなんといっても「水」です。水道水は地下水100%であり、口当たりがまろやかで全く匂いも気になりません。現在他の街で暮らしておりますが、昭島市の地下水を勝る水道水にまだ出会えておりません。個人的にはペットボトルのミネラルウォーターより美味しいです。水を飲むために昭島市に帰ることもあるくらいです。

こうした魅力が沢山ある昭島市ですが、実は前まで地元であるこの場所が大嫌いでした。

飛び抜けて都会でなく、かといって観光地もない、自慢できるものは水道水だけ。私にとって「つまらない街」と感じていました。またお恥ずかしい話ですが、反抗期がひどく家族との関係も良好とは言えませんでした。

ただ現在は昭島市が大好きです。気持ちが変化するきっかけは、よくある話ですが、就職して地元を離れて暮らすようになったからでした。

昭島市を離れて暮らすようになり、まず最初に驚いたことが水道水でした。蛇口をひねり飲んでみると、なんだか口当たりが刺々しく感じます。味も本当に無味。今思えば、気のせいかもしれませんが昭島市の水は少し甘い気がします。

都会の方で就職したので、右も左もわからない土地と馴染みのない高いビルに戸惑いました。初めての社会人、初めての一人暮らし、初めての街で、不安で押し潰されそうになりました。普段は知らない土地に行くとワクワクするタイプですが、いざそこを本拠地にして生活するとなると話が違います。人生初のホームシックになりました。

昭島に帰りたい。何もなくていいから、美味しい水飲んでお母さんのご飯食べたい。くだらない話で、家族みんなで涙が出るまで笑いたい。あんなに嫌いだと思っていた家族と昭島市が恋しくなりました。

就職して離れてからありがたみに気付くなんて本当にお恥ずかしい限りですが、気付けて良かったと心の底から思います。現在は過去の反抗期を謝り、家族も受け入れてくれました。コロナ禍であまり帰省できないですが連絡は取っています。私の主人も「いいところだね」と言ってくれました。

個人的には反抗期は悪いものではないと思っています。自分が成長するためのステップでありますが、私の場合周りの家族が私の反抗期に疲弊してしまいました。自己満ではありますが謝罪したところ、当時は地獄だったと話しつつ笑って許してくれたお父さんとお母さんには一生敵わないと思います。

地元が嫌いという気持ちも否定しません。私も嫌いでした。別に生まれ故郷が嫌いでも好きでも、自分が納得しているのであればそれで良いと思います。

ただ私の場合は、今思うとどこかで「本当は大好き」という気持ちがありました。昭島市も、家族も、実は大切で大好きでした。離れることで素直になれました。

同じような方がもしいらっしゃるのであれば、可能であれば「離れる」ことも選択肢の一つとしていかがでしょうか。もちろん置かれている環境が人それぞれ違うので一概には言えませんが、ご検討できる方は思い切って実行してみるのも良いかもしれません。

結婚した関係で昭島市に住むことはもう無さそうですが、私にとっていつまでも故郷に変わりありません。

長くなりましたが、お付き合い頂き誠にありがとうございます。

私の大好きな生まれ故郷「東京都 昭島市」のお話でした。

敬具


#暮らしたい未来のまち

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