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第十八走目:ミステリーハンターに追いかけられる

2023/09/12
7.0km - 8.0km
20分

ここ最近不調である。その割に質問を喜んで受ける謎の自虐行為を繰り返している。その中でも一際返答に困るものがあったので紹介しよう。

「この仕事をやって良かったと思うことはなんですか?」

私はここ最近我が身に起きたありとあらゆる事象を反芻した。思いつかない。ここ二年、流石にお手上げ状態だったので何にも思いつかない。考えろ、考えろ。
「とある人間が感じる仕事から得る苦痛と楽しさの比率は、おにぎりの具を四半世紀同じにする刑の受刑者が一生涯食べたおにぎりの総重量、対、その大量のおにぎりの中にある一個のおにぎりのさらに中に入ったおかかの破片の赤身の重量です。さて、ここでクエスチョン!その特定を命じられたエジプト人は、ある道具でそれを成し得たそうです。その道具とは一体なんでしょう?」
ない。スーパー仁くん人形をかけてもいい。そんな刑はない。そして、そんな特定を命じられて戸惑うエジプト人もそれに使った道具もない。
私は末尾二音だけを答えた。
質問者もよもやおにぎりからおかかの破片をつまみ出す謎の道具を持つエジプト人やミステリーハンターが現れていたなど思うまい。最近面倒になってくると私の頭にミステリーハンターがやってくるのだ。

同レベルに苦痛なものがある。ご察しの通り、ランニングである。
しかしながら、今日ばかりは少し嬉しい。やっと謎のフラフラ歩行病によるランニング謹慎が明けたのである。まっすぐに歩けるって素晴らしい!天井が常に上にある!ラーメン鉢をひっくり返したり、重力作ったやつとは一生口きかないと憤怒したり、「突然 重力 消えた 病気」などと検索をかけたりせずに済む。うちのかかりつけ医、ダーウィンじゃなかろうか。

ランニングマシンに乗っかる。おー久しぶりだな、このざらざらしたベルトの感触。早速7.0kmから走る。
あれ?思ったより遅い。鏡を見ると、殿のご乱心にかけつける大奥みたいな競歩をしている。むむ?重力がまだよくわからん。なんだかふわふわして走りづらい。7.5kmに上げる。あんまり変わらない。まあいい。復帰戦で躍起になってまたラーメン鉢をひっくり返すのはゴメンだ。

10分ほど走ってやっとリズムが整うも、勝手が違う。鏡を確認するとちゃんと足の裏着地になっていない。ムーンウォークしているようなぬるぬる感。おいどうした、重力。働けよ。ダーウィンに言いつけるぞ。

単に手足をふわふわと左右に振り回しているだけなのに汗だけが出る。久しぶりの汗に目に染みる。がんばれ。B’zもゴールはここじゃないと言っているぞ。さてここで、クエスチョン!そのゴールを決めたエジプト人は…おっとミステリーハンターが今居た気がする。まずい、面倒になってきた。ダブルミーニングがすぎる。クソ!ドリンクホルダーが仁くん人形が入るにちょうどいいサイズで腹立つ。あーあーあー、考えるな。考えたらアイツがやってくるぞ。ヤバい。8.0kmにしよう。流石にきつい。これじゃ完全に逃走中じゃん。

何故ミステリーハンターが私の頭にやってくるのか。なんとなく心当たりがある。小学時代の将来の夢が「ミステリーハンター」だったのだ。その将来の夢の将来はいつなのか。考えるのも恐ろしい。外から「良かった事」、内からは嫌味なミステリーハンター襲来。私は逃げるしかない。

結局なんだか変なフォームで20分走り切ってしまった。このままだと膝がまた壊しかねない。困った。ダーウィン先生に「最近ミステリーハンターがやってくるんです」と言うべきか。

因みに、謹慎中にワーク終わったんだけどぼちぼちこっちに書いていきます。とりあえず走ります。纏める脳のスペースが今ない。のですが、ここでクエスチョン!エジプト人は…

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