個人事業者だからこそ、組織を作れ

悪い意味でよく話題になることが多いだろう、漫画原作のアニメ化、もしくは実写化に伴う、不幸な事件について、私は詳細を知る立場でないため、誰が一番悪かったか、誰に責任があると思うかなど書く意味を感じないけど、多くの漫画家さんが普段感じていた率直な思いを表明されていて、報道された中で個人的に気になったのが、雷句誠氏のXでの発言です。

だからこそ、漫画家などの個人事業主も、自分たちで組織を持たなければならない。つまりは組合に加盟し、組合=同業者の仲間による集団として自分たちの権利を守り、大手企業、組織に対し、団体として要望するべきだと、私は思いますよ。

元々、個人事業者、一般労働者という個人が、仕事を受ける契約相手となる大きな資本と権力を持つ組織に対して、自分たちの正当な権利を守り、少しでも対等に要望するため、それぞれの労働者による、あるいは事業者による組合があるはずです。

おそらく若い人たちかつ、個人で何かやってやろうと思う人ほど、団体活動がそもそも苦手なわけだから、組合活動と聞くと、何か怖いもの、悪いものというイメージがあるはずです。

私も、ほとんどが個人事業者として生きてきて、会社勤め(正社員)の経験はわずかであり、いわゆる労働組合に対して、ずっと悪い印象を持ってました。我儘ばかりいって、仕事せずに、駄々こねて金をもらう集団みたいな、間違ったイメージがありました。

でも資本主義社会では弱い立場になるしかない、様々な個人の問題を知るにつれ、弱い立場になりがちな労働者や、個人事業者が集団を作り、集団として要望するのは、とても大切な事であり、当然の権利だと感じるようになりました。

色んな問題があるにしても、それは当事者、その組合を作り参加する人たちが自分たちで解決すべき問題であって、いかなる集団であれ、その集団が力を持つ過程で、何らかの内部の問題を潜在的に抱えるのは仕方ないと思ってます。また、その集団を維持するために、様々な内部の軋轢も当然あるのでしょうが。

組合活動という、あらゆる労働者の正当な権利を、左だ、赤だ、社会主義だ>>売国活動だのように、極端化された言舌に影響受けすぎて、嫌悪してしまった人が多いなら、素直に自分たちの権利を守るために、自分たちで集まって組合を作り、それに参加して、契約を交わす組織から自分たちの権利を守れるように活動するのは当然のことだ、と考えてほしいです。

弱い個人だと多くの漫画家が思っているなら、(芸能関係者、俳優、美術スタッフさんや、AV関係者など、どんな職種の個人事業者、労働者も)みな、まず自分たち同業者の組合を(たとえ複数できたとしても)持ち、どれかに加入し積極的に参加することが、今回のような悲劇や、弱い立場を利用されたセクハラ、パワハラ、あるいは犯罪行為から、自分たちを守る手段になると私は思います。

たとえば漫画家協会があるのだから、より多くの漫画家さんが参加し、出版社やTV局など大きな組織との問題が生じた時に、漫画家を守る組織として法的対応できるよう協会を強化していくべきだと思います。

漫画ファンとして今回の悲劇に怒るなら、ファンも弱い個人の立場になるしかない漫画家さんが、集団として組合での運動を積極的に行うことを支持し、応援するべきだと、私は感じます。

より大きな組織に対する、個々の弱者の権利を守るための組合運動、労働運動をないがしろにしていては弱い個人事業者の権利が守られるわけないと思いますよ。

どこかの芸人さんたちのように、資本と力のある組織、権力者の顔色をうかがうだけのお抱え業者、便利屋になるしかなくなります。

弱い立場の人たちの団結、集団としての様々な権利保全、交渉を否定し自分たちで自分たちを守る集団を持たないなら、より強いもののご機嫌を取ることで、自分たちの権利、利益を保証してもらうことでしか、立場と生活を守れなくなるわけです。

それって、ありとあらゆる芸能活動の従事者や創作者にとって、最も恥ずべきことじゃないかと、私は思うんですけどね。創作の自由を守るのと同じくらい、大事な権利を知らないまに捨ててるのではないでしょうか?

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