見出し画像

夫は世界選手権4連覇の人。なんで勝てるの?それを妻も知りたかったので、メントレ専門家に相談してみた話。①→

→①プロローグ:「メンタルトレーニング」プロジェクトの始まり


■夫紹介

・小林幸一郎
・53歳
・157㎝
・パラクライミング世界選手権 視覚障害 全盲男子 2014、2016、2018、2019優勝
※世界選手権は2年に1度の開催。2019年は2020年にオリンピックにクライミングが採用されて開催される予定だったため調整された。次回は2021年9月15日からのロシア大会。もうすぐ!

 つまり、夫はおじさんだし、背が小さい。でも4連覇している強いレジェンドさん。個人的には国内のレジェンドに留まらず、世界選手権では色んな選手や関係者に声をかけてもらえたり応援してもらったり、そんな姿が妻としても嬉しくなる。


【なんで小林さんは勝ち続けることができるんですか?】


人って「勝つ」ことは割とできる人はいる。でも、「勝ち続ける」ことって難しく、できる人は限られてくるのだそうだ。

<意見①>「小林さんは、本場に強いから、ずるいです」
→確かに、練習を見ると若手の選手の方が難易度の高いルートを登れているし、力強い。でも本番に強さを持っていけるとしたら、それはどうしてなんだ?
 本人曰く「本番に強いからって、今までできなかったことが急にできるわけではない。練習でできていないことはできないから、どれだけ練習でできていたことの力を本番で発揮できるか、だと思う」「じゃあなぜそれを貴方はできるんだい?」「なんでだろうね???」

<意見②>「小林さんは、長くクライミングしているから強いんじゃないですか」
→確かに16歳の頃にクライミングに出会って、今も大好きで続けている。でも若い時はコンペに出ているタイプではなくて、むしろ見えなくなってから声をかけられてコンペに出始めているので、コンペ慣れを特別しているわけではない。
 夫のお母さん曰く「運動の習い事もさせたかったけど本人がやる気なし。一人っ子だし、競争心がなかったのよね。だから今メダルとか持ち帰ってくると、びっくりする」と話されていた。幼少期は競争心もやる気もなかった人が、いつから勝負強くなるのか?

<意見③>「そもそもメンタルが強いんじゃないですか」
→外では「3連覇目指します!」「50歳で金狙います!」と豪語しているけど、家では実はプレッシャーに押しつぶされそうになり弱音を吐いている姿があった。「今うじうじしててもしょうがないじゃん!」と妻に軽くあしらわれたりもしている。可哀そうに。。。
 でも、最終的には「どこかやっぱりメンタルが強い!」と妻も思うし、本番に堂々と登っていく姿は誇らしい。じゃあ、なんで最終的にメンタルが強くなれてるの?ってかメンタルが強いって何?

 というわけで、その強さについて、ご縁をいただいた、スポーツ&パフォーマンス心理学の専門家、メンタルトレーナー伴元裕さん(Own Peak代表)ご指導の下、約9ヶ月を使って探ってみた。

 これは、夫婦そろっての興味でもあるけれど、夫はすでに53歳。パラクライミングを牽引してきた立場として、これから道を創っていく後進の選手に何か繋がればと願って、夫の目の代わりをしてくれるナビゲーターさんにも巻き込まれてもらってのプロジェクト開始だった。
 そして何より、53歳世界選手権5連覇への挑戦に向けて、「やれることはすべてやろう!」の意気込みでもある!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?