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昨日の本棚

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読書記録、本や書店に関する考察など。 読書記録は月に1回のふりかえりをベースに、おもしろかった本は個別に考察も書きます。
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#わたしの本棚

2022年3月 読書の記録

5月になってしまった。早すぎる。 目録差別はたいてい悪意のない人がする(キム・ジヘ) トリエステの坂道(須賀敦子) 白痴 2(ドストエフスキー) コーヒーと短編(庄野雄治 編) サン=テグジュペリの世界(武藤剛史) 3月はいろいろあって本が読めなかった。ちょっとした家具を買ったり積読を増やしたりして読書環境を整えつつ、須賀敦子のエッセイをのろのろ読んでいたらHPが少しずつ回復した。 彼女の文章は、読んでて嫌な気持ちになることがない。直接的に嫌な気持ちになる文章な

新しいレンズで世界をみよう ––千葉雅也『現代思想入門』

現代思想というカテゴリが、誰のどんな理論によって形作られているのかがわかりやすく解説されている。だけでなく、「思想書をどう読むか」というプロ視点での指南も数多く盛り込まれており、「読むこと」の楽しさを味わえる一冊。 本書を読んで、現代思想というものがちょっと身近になった。それぞれの哲学者の論点だけでなく、それまでの哲学史に対するその人のスタンスを知ったことで、現代思想の生き生きとした感じ、躍動感に触れた気がした。 なぜこんなにわかりやすいのか思想や哲学の本はあまり読まない

2022年1月 読書の記録

すでに2月も終わろうとしてますが、1月に読んだ本をふりかえります。 目録三体 Ⅲ(劉慈欣) 千個の青(チョン・ソンラン) すばらしい新世界(オルダス・ハクスリー) グレート・ギャツビー(フィッツジェラルド) 世界のすべての朝は(パスカル・キニャール) ショウコの微笑(チェ・ウニョン) 遠い朝の本たち(須賀敦子) ワンダーボーイ(キム・ヨンス) ペスト(カミュ)  選ばれなかった選択肢を読む昨年読んだ「100分de名著」の文章をたまに思い出す。 SF、とく