『未来』2023年11月号掲載7首

ぼんやりと海を漂う夏の朝聴こえてきたよ海の静寂

電子の界を彷徨う新しきアリスがあらわれることはあるだろうか

白夜(はくや)に揺れ水中に消える白い花眩む視界に愛憎も揺れる

Heavy weather 雨、我々は無力なり祈りを捧げ明日を待つ身

銀河にはひとつになったきみがいて明日はきみの手に真理はきみの瞳(め)に

脱け殻のように生き抜く虚しさよいずれは踏まれ忘れ去られる

月光が曠野を照らし飛び出した子供らが舞う上弦の月