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練馬区立美術館で開催中のサヴィニャック展がとても良かった

練馬区独立70周年記念展 サヴィニャック パリにかけたポスターの魔法

この展示を見に行ったのですが、とても良かったです。インハウスや受託問わず、広義の意味で広告に携わるデザイナーにオススメ。
美術館でやってますが所謂『アート』ではなく、作品は全て職業ポスターデザイナーであるサヴィニャックがクライアントから依頼を受けて作成した商業広告です。よってほぼ全ての作品は原画と実際世に出た広告が並べて展示してあり、その差違を見ながら、これは商品がもっと美味しそうに見えるよう修正がはいったのかな?など想像が膨らみます。
またコカ・コーラに提案したが却下されたので、ペリエに持ち込み採用されました(もちろんパッケージは張り替えて)など、あくまで商業デザインであり、アートとは異なる制作過程が解説で見られるのも貴重。

サヴィニャックのポスターは消費者と対話すること、シンプルにそのメッセージを伝えることをを追求していたようで、年代ではなくそのための手法やモチーフにより展示がパート分けされています。よりダイレクトに商品の魅力を伝えるため、商品そのものとユーザーを一体化してみたり、もう商品を直接指差しするといった、数多くの試行錯誤と、サヴィニャックの中でのブレイクスルーを感じ取れるのが面白い構成でした。

展示されているのは殆どが完成作品のみですが、最後に設置されている本人出演の映像では、ひとつのポスターのために数多くのアイデアラフが描かれていることが分かります。それらも見られると更に最高でしたが、それ抜きでもとても面白い、且つデザイナーにとっては広告というものを考え直すきっかけにもなりそうな展示だったなと、オススメ!

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