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今年もあとひと月

ボチボチとろくろを挽いている。寒くなりストーブも焚いた。水が冷たいのは堪えるが、冬のひっそりとした空気の中で作陶ができるのは至福だ。
普段はサラリーマンで客の人生に振り回される日々に、こうして何人も入れない領域を作ることは大事だ。特に自分の場合、普段が接客業でフェアトレードじゃない場面ばかり。お客様のご要望と言う、ほとんど見ず知らずな他人のワガママに悩み、もがく日々だ。最近歳を取ってくるとそんな事ばかりに自分の命を使うのは勿体無いと思うようになってきた。ちゃんと自分そのものの為に自分の命を使わないとと、少し大袈裟に思いつつ作陶。そう思うと作陶中に会社からの電話が鳴るのではという不安を拭い、没頭して取り組める。この領域の敵は何処でも「繋がる」と言うインフラなのだ。
一通りの作業を終えてストーブの前でぼーっとする。ここにコーヒーが有れば言う事ないが贅沢は言ってられない。きっとこの瞬間は輝いている筈だ。今はわからなくても。

明日くらいに高台削りたいなぁ。

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