#10 組織の内向性/しげるんThird Lifeの旅3(広島編)

 Third Lifeの旅、3回目は広島です。
 NPO法施行25年を迎えます。このタイミングで各地で様々な催しが企画されていて、中国5県が集まって広島で開催された「中間支援組織 人材学校『秋の合宿研修』」に参加してきました。
 中間支援組織のレジェンド達による冒頭のシンポジュウムに、私の5つのテーマの中の「市民力の向上」にとって、とても大切なヒントを見つけることができました。進行は、25年の振り返りや中間支援組織として大切なこと、これからの方向性などをレジェンドに聞く形で進められました。想いのこもったお話が多く、みなさんの活動の多様性と素晴らしさが勉強になりました。
 ただ議論を聞きながら、実は少し違うところに視点を置いて自分自身の考えを整理していました。組織の内向性についてです。今回のパネリストの組織はその発足の経緯もその後の発展過程もそれぞれですが、共通点は変化に応じてその形を少しずつ変えていることです。ここが私の注目点でした。
 どのような組織であれ、生き残っていくために時代の変化に対応して組織のあり方や方向性を柔軟に変えていきます。ただ、組織履歴が長くなってくると、かつ実績が積み重なれば重なるほど、他者からの評価が高まれば高まるほど、活動や運営は内向性が頭ももたげて来るようになりがちです。内向性そのものは決してネガティブな側面だけではないのですが、外向性とのバランス感覚が大切なのでしょう。
 日本の地域社会に根ざした古くからある組織の多くは(もちろんそうでない組織もあります)社会背景や地域でのポジション、いろいろな外的要因、様々なしがらみによってなのでしょうか、内向性が強くなる傾向があることは否めません。
組織のミッションやビジョンを持ってスタートしたはずが、残念ながら社会変化に適応することよりも組織維持や組織課題に関心が向き、いつしか本来果たすべき役割や社会的なニーズから乖離してしまうことが多く見受けられ、活力が落ちていっています。
 広義のNPO全体に課せられた役割は、共創社会実現の牽引役です。市民社会をつくっていくためにも市民力の向上は不可避です。ましてや人口減少社会の中で「活動人口」を増加させなければならない状況下では、活力が弱っていく組織が増えることは食い止めなければなりません。

 私の主宰するNPO法人自体への自戒も含めて改めて「組織の内向性」について考えさせられる機会となりました。
 



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