実業団がB3に勝っても不思議じゃない理由

昨日こんなツイートをしたところ数多くの方にリアクションしていただきました。(リツイート、いいねしていただいた方はありがとうございます。)

おそらく、天皇杯予選で日立金属さんがB3の八王子に勝利したことで、「実業団ってなんだ!?」って思う方がたくさんいたからだと思います。

今はBリーグの情報って検索できると思いますけど、実業団ってあまり情報ないですよね。

僕も実業団の横河電機に在籍し、今回勝利した日立金属さんと同じリーグでプレーしています。在籍する選手だからこそわかる実業団のお話を今回していこうと思います。


●実業団とは?


簡単にいうと、昼間はサラリーマンとして仕事をし、それ以外の時間でバスケをしている人たちです。バスケでお金は一切稼いでいません。

リーグは地域リーグに属し、B1>B2>B3>地域リーグという位置付けになります。(B3の一部のチームも実業団ですね。)このリーグは、実業団やクラブチームが各地方ブロックに別れ、4月−12月にかけてリーグ戦を行い、毎年2月にブロックを勝ち抜いたチームでチャンピオンシップ大会を行います。

昔はプロリーグとの接点が無く実業団で独自のリーグだったんですけど、Bリーグ発足を機にリーグ形態が変わった背景もあります。


●実業団がB3に勝てる理由


さて、簡単に実業団とはの説明をしたところで、本題に入ります。実業団がB3に勝っても不思議じゃない理由ですね。

ざっくり言ってしまうと、「B1でも活躍できる選手が実業団に流れてくるから」です。実力ある選手ならプロになればいいのに、と思う方がいるかもしれませんが、そうできない理由があります。

日本代表に入るようなトップの中のトップ選手は、プロでも十分活躍が見込めて、十分な収入を得ることができるでしょう。引退してからも試合解説などバスケに携わりながら生計を立てれます。ただそんな選手ってほんの一握り。それ以外の選手は、常に引退してからどうするかをな悩まないといけない。だから、引退後のキャリアを安心したくて実業団を選択するんです。

僕の場合、頑張ってもトップ選手にはなれないとわかっていたので、引退後が見えてない中でプロを選択できませんでした。(強豪の青山学院大にいたので、プロという選択肢もできないことはなかったです。)

また僕が大学3年で進路を決める時は、Bリーグができるかできないかわからないちょうど狭間でした。なので、余計に引退後に対する不安があったんですね。

同世代の実業団選手の境遇は同じなので、周りも似たような考えで実業団を選択しています。その中には僕より全然上手い人がたくさんいて、B1でも活躍できそうな選手がたくさんいます。

この引退後が保証されていないことで起きる「実力に合わないキャリア選択」が、実業団がB3に勝てる理由です。


●この現状は正しいの?


僕はこの現状が問題だと捉えています。プロになりたいと思う選手が環境や境遇に左右されずに、自分の意思だけでキャリアを選択できるようになるべきだし、そうすることでなるべきプロ選手が増え、結果競技力の向上につながると思います。

これは実業団にきて感じました。やっぱり実業団ってプロと違って、昼間の仕事でお給料を頂いてるので、どうしても仕事優先になってしまうんですね。バスケだけに集中するってなかなか難しい環境です。(具体的な環境の話でいうと、例えば練習回数は大体週3のところが多いです。チームにもよりますが。)

だからこそ、バスケ全体が向上するためには実力のある選手がプロを目指すべきだし、プロを目指せる環境が整っていないといけないわけです。

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いかがでしょうか。少しでも実業団の事情を知っていただけたでしょうか。実業団といえどもレベルは高いので、10月半ばから再開するリーグ戦をぜひ観に来ていただけたらと思います。(無料なので気軽に見にこれますよ…)

試合スケジュールと会場は以下のサイトにあるので、見てみてください。

また僕自身としてもこの現状を変えたいと思い、少しでもキャリアに悩む選手のサポートになるようにとスポーツイベントを企画しています。大学生の自分が、こんな大人と出会っていたら面白かったなあというイメージです。SNSを駆使して頑張っているので、もしよろしければ遊びに来てください。

キャリアの話はちょっと重いな…という方も気軽にスポーツ好きでスポーツについて話そうという会もあるので、お気軽に来れますよ。

TwitterのDMで随時受け付けています!


以上、選手の独り言でした。


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