物語に没入すること

漫画や本、ドラマでも映画でも、没頭してなり切って物語の中に入ることで、実際に体験せずとも、あらゆる感情を体験することができます。感情体験とは、肉体を持った自分が実際に行動したものだけに限りません。物語に入り込んだことも夢の体験も、すべてが実体験です。

経験したことがなければわからないという実証主義では、ごく限られたもの、ごく一部しか理解できないことになります。ましてや他者の環境や感情を理解することなど、まったく持って不可能です。まったく同じ体験をすることが不可能なのだから。なので「体験しなかっただけで知っている」ことの方が多いわけです。

夢の意味を考え、夢に馴染んでいくと、感情体に詳しくなるので、他者の感情体験に共感したり、共有したりすることもできるようになっていきます。思い描いてもらえれば、それを共有できるような。夢を理解し感情体に詳しくなるというのは、普遍性に回帰し人類が共有するものに辿り着くので、共感共有できる、あるいは理解できるのは当然です。

ちょっと話が逸れましたが、物語に没入することで感情体験が増えます。個人に閉塞していると、物語に没入することさえできないこともあります。没入できる物語、好みの物語は、癖こだわりを知るきっかけにもなれば、自分が何を求めているのかがわかることもあります。体験したかったけれどできなかった感情体験もできます。そしてその体験が完了すると、興味がなくなっていくものです。

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