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雑談のあるライターズ・カンパニー

「ライターってひとりでできる仕事じゃないですか、バトンズって何やってるんですか?」

この前、ライターさんが集まる会でこんなことを聞かれた。

そうだなあ、企画の段階で相談に乗ってもらって「なるほどなあ」と思ったり、構成を見てもらって「確かに」とうなずいたり、書いた原稿に「ぐぬぬ」と唸るような朱字を入れてもらったり。

ときどき、わたしも古賀さんの書き途中の原稿を読んでコメントしたり。つくった本に重版がかかったら、おめでとうございますと言い合ったり。

——と、そんなことはきっとわかりきっているはずで、その向こうにどんな答えがほしいんだろう。うーん、何をやってるか、かあ。少し考えて出したわたしの答えは、

「雑談……?」

だった。

そのときは疑問符のつく答え方だったけど、そこからうっすらとあのライターさんの問いについて考え続け、やっぱりオフィスにおける「雑談」の力は大きいと思った。雑談って「雑な談」な割に偉大だな、と。

どれくらいバトンズが「雑な談」をしているかというと。たとえば昨日は、わたしが決めたかった物件にタッチの差で申し込みが入り萎えている話を切り出し、古賀さんがネットで見つけてきた品川のタワマンについて盛り上がり、そこから牧瀬里穂がタワマンに住んでいる話になり(インスタ情報)、古賀さんが高校生のころ牧瀬里穂と愛し合う夢を見てテレビ業界を目指した、という話をした。

……この部分を読んでくださった方に申し訳ないほど、ライティングとか編集とか出版業界に関係のない話だ。人生において、しなくても構わない話。実を結ぶことのない話。

しかし、そんなしょうもない話ができる「余白」がオフィスにあることも、ひたすら考えて書くしかない仕事をするうえでは大切なんじゃないかと思うのだ。決してチーム仕事じゃなくても。

雑談が転がって「そういえば……」が数珠つなぎになっていったりすると、ぎちぎちの脳みそに酸素が送り込まれる感じがする。ふっと俗世に戻ってくる、というか。
それに、自分以外の他者の人生に起こったことや考えたこと、笑える話から悲しい話、ツッコミどころのある話などなど聞けるのは、ふつうに楽しい。それで思いがけないところで心を動かされたり、感銘や衝撃を受けたり、学びの共有になったり……。うん、雑談、めちゃめちゃ大事。

こういう「余白」の話って、完全にフリーランスだとなかなか日常的にできなかったりする(わたしはバトンズに入る前、結構犬に話しかけていたけれど、当然ながら一方通行だった)。
最近は数人で集まってそれぞれの仕事をするライターさんも増えていて、「存在だけで励まし合える」とは別に、合間の雑談を求めているんじゃないかなあと思っている。


あ、もちろんバトンズは、仕事や会社、出版業界、コミュニティとかSNSでの在り方といったまじめで「意義のある」話もします!(ほんとうに)

けれど、マッチョな話ばかりしていたら疲れてしまうからねえ。雑談したい方、ぜひ遊びに来てください。

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