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読むPodcast「田中健士郎の働き方ラジオ」#131 私にとってのテキトーフォーミー(藤澤製本×ライターゼミ コラボ企画)

「町工場プロダクツ」というコミュニティにハマっています。最近よく話すので、ご存じのリスナーさんは多いかもしれません。

「町工場プロダクツ(以下、町プロ)」は、50年、100年という歴史のある会社を含めた全国の町工場が100社以上加盟している製造業のコミュニティです。

それぞれの会社の新規事業、あるいは新商品開発への挑戦を「町プロ」というコミュニティとして広めていくムーブメントが起きています。

気になる方は、栗原精機のおやっさんこと、栗原稔さんと側島製罐の石川貴也さんにゲストでお越しいただいた回を聞いていただければと思います。

「町プロ」つながりで、藤澤製本の代表の通称よめさんと出会い、僕が運営しているオンラインコミュニティ「ライターゼミ」に遊びに来ていただきました。


よめさんの自己紹介

設立50年をむかえた株式会社藤沢製本という本を製造する滋賀県の町工場に、25歳の時に嫁ぎました。嫁いだ身ということでニックネームは「よめ」、職業は「中小企業の嫁」と名乗っています。 今は何故か藤沢製本の代表取締役を務めながら「テキトーフォーミー」という自社ブランドを立ち上げ、そのプロダクトを通してテキトーフォーミーに生きる人を増やす活動をしています。2児の母。

藤澤製本は「テキトーフォーミー」というコンセプトをベースに新規事業で、手帳やペーパーウエート、ステッカー、内省ツールのカードなどを開発されています。

藤澤製本とライターゼミのコラボ企画として、「私にとってのテキトーフォーミー」という概念を、より自分に落とし込んで、みんなで発信してみようというイベントを開催しました。この企画に乗って、「僕にとってのテキトーフォーミー」をお伝えしていきます。

「私にとってのテキトーフォーミー」とは?

「毎日のパフォーマンスがナチュラルにベストな自分へ」

藤澤製本ホームページより

日々働く、暮らす、子育てをするなどの生活の中で、パフォーマンスがナチュラルにベストって何でしょう。

みなさんは、何となくイメージがつきますか?

ナチュラルの逆は、無理をしている、不自然な状態みたいなことですよね。
ベストな状態は、自分の本気が出ている、無理せず成果が出るようなイメージです。

「テキトーフォーミー」という概念には、「かばお」というキャラクターがいます。カバの妖精です。ほとんどのプロダクトについています。

「かばお」がね、かわいくて、存在がすごく良いんです。常にナチュラルでベストな自分を引き出してくれるような妖精なんですよね。

ちょっと無理をしていたら、

「健士郎さん、無理してない?」
「本当にそれって、ナチュラルかな?」
「やらなきゃいけないのはわかったけど、本当はどうしたいの?」

と、問いかけてくれる妖精なんじゃないかな、という話がライターゼミのイベントの中でありました。

「かばお」と対話をすることで、「自分にとってナチュラルで、ベストな自分」を見つけられるのかなと思います。

みなさん、「テキトー」の意味が見えてきましたか?

ざっくり適当にやっつけ仕事をするというよりも、自分にとって「適当」というイメージに近いですね。

「テキトーフォーミーは、私にとって最適である」みたいに捉えていくと良さそうです。

かけ算で考えてみよう、「私にとってのテキトーフォーミー×〇〇」

みなさんなら何を入れますか?

例えば、「私にとってのテキトーフォーミー×読書」

自分にとって、目次から順番に読むのがテキトーなのか。
読みたいところだけ読むのがいいのか。
雑に、でも何度も読むのがいいのか。

人それぞれですよね。

「私にとってのテキトーフォーミー×音楽」

聞き方、アーティスト、共感の仕方も違います。音楽も、人それぞれですよね。

こんな感じで考えていくと、「私にとってのテキトーフォーミー」の解像度が上がっていきます。

「僕にとってのテキトーフォーミー × 家」

みなさんは、自分が暮らす家をどのような「テキトーフォーミー」にしていますか?

平安伸銅工業という、突っ張り棒や様々なDIYツールを作っている会社があります。そこが打ち出してるコンセプトが「さあ、暮らすがえ」。

「暮らすがえをして、自分にフィットした暮らしを作っていきましょう」という概念です。

「テキトーフォーミー」と、とても近い考え方だなと思いました。

みなさんは「暮らすがえ」ってどういうイメージですか?

リフォームやリノベーションのように工事を伴う家の改造ではなくて、「ちょっとそこに突っ張り棒で棚を作ってみる」、「ちょっとだけそこにじゅうたんやラグをひいてみる」、「ちょっとだけ絵を飾ってみる」とか、ちょっとした変化を家の中に作る。それにより、暮らす家が自分のパワーを貯められる場所になるということですね。

僕は旅好きなので、旅系の雑誌を見えるところに置いています。

最近、プロジェクターを買ったので、常に仕事をしながら、目の前の壁に海の動画を映しています。まるで海の目の前で仕事をしているような感覚にするのもいいなと思って。常にモルディブで仕事をしていますよ、笑。

あともうひとつ、やってみたいことがあります。

僕は本を見えないところに隠すように置いているんですけれど、好きな本や今ちょうど探求したいテーマの本は、むしろ見えるところに並んでいた方がいいかなと思って。本棚を見えるところに置いてみようかなと考えています。

もちろんきれいに全部しまって見えないようにすることも、自分にフィットしてテキトーなんですけどね。

「暮らすがえ」という新しいコンセプトも踏まえて、自分の好きなもので見えるところを埋め尽くしていくことが、僕にとっての「テキトーフォーミー」だと思いました。

「僕にとってのテキトーフォーミー×旅行」

僕は旅行が好きで、「一般的な観光地には行かない」、「なるべく計画を立てずに、無駄な時間を過ごしに行く」ことを徹底しています。

3泊4日で旅行する時、見どころの観光地に行かなきゃ、詰め込まなきゃと、ついつい思うかもしれません。でも僕は逆なんですね。

どうしても行きたい場所があれば1日くらいは予定を入れてもいいんですけれど、後の2日はフリーにするというのが、僕にとっての「テキトーフォーミー」です。

その場の暮らしを体感できたり、そこで出会う偶発的な人や物、体験に価値を感じるんです。だから、なるべく計画を立てずにその場に行って、現地の人から聞いたおもしろい場所に行くとか、おもしろい体験をしに行く感じで旅行することが多いですね。

旅行の中で、食べ物にはこだわっています。

現地に着いてから、どれだけおいしいものを探せるか。一度おいしいお店を見つけたら、その旅行の間にたいてい2、3回は行きますね。もちろん、いろいろなお店に行ってみたい気持ちもありますが、自分の中でベストなお店を見つけたい気持ちが強いですね。

「次に来る時も絶対にあの店に行く!」みたいなベストなお店を見つけられるかは、自分の中のテーマなので本気でやります。この辺りは、僕にとっての「テキトーフォーミー」だなと思います。

みなさんは旅行に行く時の自分にとってのテキトーフォーミーはありますか?

「僕にとってのテキトーフォーミー×仕事」

「働き方ラジオ」らしいお話をします。

いつも話している通り、僕は「ワクワクとできる」軸で働いているので、「ワクワクしない×できないこと」は極力やらないを、わりと徹底しています。

僕はできないことが多いので、そうするとやらないことが増えてしまうんです。それに、「ワクワクしないことは、絶対にやらない」と決めると、仕事の中で価値提供することがおろそかになってしまう。ただ好きなことだけやっていて、価値を生み出していない、お客さんからお金をもらえないみたいなことが起きてしまいます。

そういう時に考えることがあって。

「誰かの喜びにつながることはやる」ということです。

「自分があまりワクワクしなくても、誰かの喜びにつながることはやろう」

「これは誰の喜びになるだろう?周りの仲間、職場の仲間の喜びにつながっているのか、お客さんの喜びにつながってるのか?」

会社の成果を数字だけで捉えると、自分のモチベーションが続かないけれど、「誰かの喜びにつながることはやる」と考えながら仕事をすると、価値提供ができると思っています。

もうひとつは、現場ファーストです。

仕事がうまくいかない時って、現場が見えていないんです。最近、解像度が上がらないなという時は、お客さんとのコミュニケーションが減ってることが多いんですね。だから、現場ファーストは自分の中でかなり意識してるところです。僕は現場の方が楽しいんですよね。

戦略を考えることがあまり得意ではないのもあって、「できないなら現場に行くしかない」ということは、自分にとってフィットしてる働き方だと思います。

テキトーフォーミーを探すことは適当にはできない、自分と向き合ってみましょう

「テキトーフォーミー×〇〇」という観点で、「僕にとってのテキトーフォーミー」についてお話しました。

みなさんにとっての「テキトーフォーミー」は、どんなものですか?

何とかけ合わせた時に、「私にとってのテキトーフォーミー」が言語化できるか、ぜひ考えてみてください。

「僕にとってのテキトーフォーミー」を家、旅行、仕事とかけ合わせてみて、わかったことがあります。

「テキトーフォーミーを探すことは、適当にはできない」ということです。

自分にとって最適であり、ナチュラルにベストでいることは、少し意識を変えないとできなかったりします。周りに流されると、自分の中で何かを我慢することがありますよね。自分にとってのテキトーフォーミーを探すことは、自分に真剣に向き合うことなんです。

例えば僕は、続けるかやめるかという葛藤はとても大事だと思っています。

一つひとつの仕事もそうですし、会社を続けるか辞めるか、コミュニティでもあるかもしれません。こういう葛藤はしんどいので、考えたくないですよね。無理に考えなくていい時もあるとは思います。

でも、自分にとって本当に「テキトー」なのかと考えた時に、続けたいと思えるかどうかがナチュラルでベストな自分をそこで作れるかどうかにつながっていきます。

だから、もし惰性で続けていることがあれば、本当に続けるべきか、やめるべきかを問うことは大事だなと思います。

こう考えると、「テキトーフォーミー」を意識することは、考えることなんですよね。

自分ときちんと向き合うことによって「私にとってのテキトーフォーミー」が見つかる。
誰かが答えを持っているわけではなく、自分にしかない答えがある。
それが「テキトーフォーミー」なんじゃないかなと思います。

「自分の思想や価値観」とも言い換えることができますね。

今、世の中は一億総思想社会、みんなが思想を持つようになりつつあります。逆に、自分の思想をきちんと持っていないと、生きづらい世の中になってきていると僕は感じています。

「テキトーフォーミー」を自分なりに考えることは、自分の思想を持つことにつながって、その思想がベースとなって人とつながっていくんですよね。

個の時代において、自分のキャリアを作っていく上でも、自分の思想はとても大事になります。例えば、キャリアオーナーシップという言葉ともつながってくるんじゃないかなと思いました。

「私にとってのテキトーフォーミー」はどんなものでしょうか?

みなさんも、ぜひ考えてみてください。

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「働き方ラジオ」準レギュラーのリサがお届けしました。2020年8月放送の第1回から聞き続けるうちに、情熱を持って働くということの解像度が上がり、働き方と生き方が変わった一人です。

音声コンテンツはあまり聞かないけれど文章なら読む方も多いのでは?
より多くの方々に届けたい!という思いから「読むPodcast働き方ラジオ」を発信しています。

ひっそりと一人で始めましたが、現在6名の編集室メンバーで制作を行っています。「働き方ラジオ」のファンが集まりました。思い入れのある放送回を、メンバーそれぞれの文章スタイルで思いを込めてお伝えしていきます。
「働き方ラジオ」を初めて知った方、聞いてみたくなった方もいるかもしれません。気になる方はこちらからどうぞ!声が伝える思いを受け取っていただけるのもうれしいなと思います。


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