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駄文毎夜1123「今日もこの町では非日常が日常に成っている。」

 この町に帰ってきてからというもの、私の眼には不思議なものばかりが映り込む。

──ある時は、同じ顔の二体の鬼
──ある時は、巨大な猫にまたがる女子高生
──ある時は、猫の顔が描かれた石を操る女性
──ある時は、宇宙漁業なるものを計画する大人たち

 この町は非日常にあふれてしまっている。
 私は、日常の中に非日常を書き加える物語を書くことで物語を作り、それを売って食べていく”小説家”という生き物になるために、それまで憧れにあこがれやっとの思いで手に入れた東京での生活を手放し、このヲノミチにはるばる帰ってきたというのにこの仕打ちはなんだ!

「真実は小説より奇なり!」

私は6畳間で叫んだ。
 この町では、私の思い描く非日常をはるかに超えた非日常にあふれ、あまつさえ非日常は日常になっている。
 これが叫ばずにいられるか。
 私はすぐさま着替え、靴を履き寝ぐせはそのまま商店街へと走り出した。  商店街ではええじゃんSANSAがりが流れ法被を着た人々が踊っている。私はその中に混ざり踊り狂う。叫びながら。

「真実は小説より奇なり!奇なり!」

こうして私はこの町の日常に成った。

活動の糧にします。次はもっといい記事を