見出し画像

Washington University in St. Louis について

こんにちは。アメリカで経済学PhD留学中のたなぱんだです。

私は Washington University in St. Louis に所属しているのですが、日本では一般的にあまり知られていない大学かと思います。アメリカ国内ですら、アイビーリーグのような名門校だけど知名度がイマイチという意味で、隠れアイビーリーグ校(Hidden Ivy)の一員とされています。ですので、今日は Washington University in St. Louis について簡単に紹介したいと思います。

なお、この記事の内容は個人ブログでも掲載しております。

大学名について

Washington University in St. Louis は、アメリカのミズーリ州にある私立大学です。口頭では「WashUワシュー」の愛称で呼ばれることが多く、メールアドレスなどの表記上は「WUSTL」と略記されることがあります。なお、日本語では「セントルイス・ワシントン大学」や「ワシントン大学セントルイス」と表記されることが多いです。

校名の Washington というのは、アメリカの初代大統領であるジョージ・ワシントン(George Washington)に因んでつけられたものですので、本学はワシントン州ではなくミズーリ州にあります。なお、ワシントン州には州立のワシントン大学(University of Washington)やワシントン州立大学(Washington State University)がありますが、これらの大学と本学は一切関係がありません

ちなみに、本学の名前はジョージ・ワシントン由来で、キャンパス内にもジョージ・ワシントンの銅像があったりするのですが、ジョージ・ワシントンの誕生日に由来する「President's Day」の祝日(2月第3月曜日)に大学は休みになりません笑

ジョージ・ワシントン像(中央)

学問的な強みについて

セントルイス・ワシントン大学は各種大学ランキングで上位に位置するほか、学内からノーベル賞受賞者が26名(2023年5月現在)出ているなど、(所属している身で言うのもなんですが)全米でもトップレベルの研究大学です。

学問別にみると、医学部(school of medicine)がめちゃくちゃ強いです。医学部全体でみてもアメリカの中で5本の指に入る名門ですし、理学療法などの分野では全米No.1と評価されているようです。26人出ているノーベル賞受賞者のうち大半は、医学や薬学関係の研究での受賞となっています。

また、社会科学系のいくつかの学問も強いです。とくに社会福祉学(Social Work)は全米で2位にランクづけされているほか、政治学(Political Science)では12位となっています。私が専攻する経済学(Economics)も、特にマクロ経済系では全米で18位にランクインしているほか、これまで2名のノーベル経済学賞受賞者を輩出しています(1993年ダグラス・ノース、2022年フィリップ・ディビッグ)。

(注)ランキングの順位は2023年版US Newsのランキングから入手したものです。

キャンパスについて

教員・学生が通うキャンパスは、フォレスト・パーク(Forest Park)という代々木公園10個分くらいある(!)巨大公園を隔てて2つに分かれています。西側にあるのがメインキャンパスであるダンフォース・キャンパス(Danforth Campus)、東側にあるのがメディカル・キャンパス(Medical Campus)です。2つのキャンパスの間は、電車で10分程度で移動可能です。

ダンフォース・キャンパス

東京ディズニーランド1.5個分くらいの広大な敷地に、医学部以外の全学部が立地しています。ゴシック様式で統一された建物と青々とした芝生からなる非常に美しいキャンパスで、「アメリカの最も美しいキャンパス」のランキングでも上位に位置しています。

美しいキャンパス①
美しいキャンパス②

当キャンパスは、アメリカ大統領選の討論会の会場に何度も選ばれていたり、万博やオリンピックなどの国際イベントにゆかりのある施設を有していたりします。例えば、キャンパスの顔(東大で言えば安田講堂のようなイメージ)として機能している Brookings Hall は、1904年のセントルイス万博に向けて建設されたものです(記事タイトルの写真に写っている建物です)。また、キャンパスの東端にあるFrancis Olympic Fieldは1904年の夏季オリンピックの際のメイン競技場でした。

メディカル・キャンパス

メディカル・キャンパスもダンフォース・キャンパスと同じくらいの敷地面積を有しています。しかし、メディカル・キャンパスは、ダンフォース・キャンパスと違って、街中に大小様々なビルが立ち並んでいるといった雰囲気で、キャンパス内外の境界線も曖昧です。

キャンパス内には、大学医学部の研究・教育施設のほか、附属病院であるBarnes-Jewish Hospital と St. Louis Children's Hospital など、たくさんの医療機関が立ち並んでいます。

学内の日本人について

大学から国籍別の在籍人数などのデータは公開されていないようなので、正確な人数はわからないのですが、日本人の教員・学生はそれほど多くはないと思います。大学のHPによると、学校全体で教員が約4,000人、学生が約17,000人在籍(2021-2022年度)しているのですが、私個人の体感としては日本人の割合は0.1%(21人)くらいといったところです。

(また別記事で書こうと思いますが)私が所属する経済学部の大学院はほぼ毎年日本人が入学しています。それ以外だと(本学の強みである)医学部に日本人研究者の方がある程度いらっしゃると思いますが、それ以外の分野だと「周りに日本人がいる」というような環境ではないかと思います。

まとめ

この記事では、私が所属するWashington University in St. Louis(セントルイス・ワシントン大学)について紹介しました。日本国内での知名度はそれほど高くないですし、実際日本人の教員・学生は多くないのですが、所属している身としては非常に良い大学だなと思っています。留学先を考えられる際の選択肢のひとつとして検討されてみてはいかがでしょうか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?