【自由律俳句・鰻】重蓋閉じて夏を終える
沈む鰻布団快食の幕開け5,000円の鰻重を頼む。
明らかにランチとしては単価が高いので、大事に食べようと心に思っていたが、一度箸を鰻に差し込んだ瞬間にその誓いは崩れる。
そうなればもう止まらない。がつがつ箸をすすめ、ものの10分ほどで食べ終える。だが後悔はない。これが鰻だ。
重蓋閉じて夏を終える食べ終えたあとの爽快感に浸りながら、しばし恍惚の表情を浮かべ、放心状態で佇む。
その状態のまま数分が経った後、両手で丁寧に重蓋を閉める。その瞬間に夏の最後の仕事を終え、季節が秋に