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太い人の食自由律俳句

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太い人の食に関する自由律俳句。 常に食べることを考えているが、その時の心の機微を捉える。
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【自由律俳句・たこ焼き】1日の始まりにも終わりにも手には楊枝

一線を越えてたこせんを買う小学生の頃遊んでいた「えのき公園」。その脇には国道が走っていて…

【自由律俳句・チョコ】夜食べないからひとつになった

トイレ上空を舞うアポロ小学生の頃、いつも近所の「えのき公園」で遊んでいた。いつも通りワー…

【自由律俳句・鍋】腹に鍋のせてヨガマットで眠る

眠る家主を隣に鍋を凝視する大学時代といえば鍋パだった。私は遠方から大学に通っていたので、…

【自由律俳句・唐揚げ】レシピに忠実だけど最後は浅油

いやそれもこれもベースは唐揚げだ昼は唐揚げ定食にするか。その日の夜にチキン南蛮や油淋鶏を…

【自由律俳句・カツ丼】三葉の有無で心動く大人

細朱レンゲではカツ食えねぇ細長い朱色のレンゲが添えられて提供される。親子丼などならわかる…

【自由律俳句・かき氷】味確かめようと花火にかざす

軽トラ助手席に木スプーン婆コンビニの駐車場に停まっている軽トラ。 もう暑さ感覚がないのか…

【自由律俳句・鰻】重蓋閉じて夏を終える

沈む鰻布団快食の幕開け5,000円の鰻重を頼む。 明らかにランチとしては単価が高いので、大事に食べようと心に思っていたが、一度箸を鰻に差し込んだ瞬間にその誓いは崩れる。 そうなればもう止まらない。がつがつ箸をすすめ、ものの10分ほどで食べ終える。だが後悔はない。これが鰻だ。 重蓋閉じて夏を終える食べ終えたあとの爽快感に浸りながら、しばし恍惚の表情を浮かべ、放心状態で佇む。 その状態のまま数分が経った後、両手で丁寧に重蓋を閉める。その瞬間に夏の最後の仕事を終え、季節が秋に

【自由律俳句・焼きそば】今日だけは車止めに座る浴衣女子

密閉性低い容器が今日は嬉しい夏祭り。あのプラスチック容器にパンパンに入れられた焼きそばが…

【自由律俳句・青紫蘇】くるくる巻いたは良いが手には鈍ら

庭生え草目を凝らせば超食用畑にバジルが生えていると母が言う。 ならば摘みに向かおう、と外…