車いす陸上競技の古畑篤郎選手が所属する「アルケア株式会社」さんとの共同研究『パラスポーツ応援プロジェクト』。
サイボウズのクラウドサービスkintoneを活用しながら、パラアスリートの活動や練習環境の向上を目指し研究を進めています！

プロジェクト始動の経緯やメンバーの紹介、これまでの活動についてはこちらのマガジンをご覧ください↓

前回の記事では、kintoneで作成した３つのアプリをご紹介しました。
その中でも現在最も活用されているのが「出場大会管理」アプリ。
シーズン内に開催される大会の情報をまとめ、出場の有無、場所やスケジュールなどを記録しています。

作成してから約１年間、実際に運用しながらさまざまな試行錯誤を繰り返してきました。今回は、前回のご紹介した使い方に追加したアイディアをご紹介します。

選手にとって重要な大会への出場と記録

選手たちが避けては通れないのが、毎年各地で開かれる大会です。とくに国際的な成績として認められる公認の大会は重要で、その記録次第で4年に一度の大舞台に出場できる選手が決まります。

前回の記事でもご紹介した「出場大会管理」アプリは、こうした大切な大会情報を一目で確認でき、中でも出場する大会情報だけピックアップできるようになれば良いのではと考え、作りました。

一度アプリに情報を登録すれば、選手自身はもちろん、kintoneで情報共有しているメンバーも同じ情報を見ることができます。選手自身の予定管理だけでなく、競技と仕事を両立している場合は関係者にもスムーズに情報伝達ができるため、古畑選手にも活用していただいています。

さて、冒頭でもお話した通り、国際大会を目指す選手にとって最も大事なのは、出場の有無ではなく、大会でどのような記録を出したかということです。

パラスポ応援メンバー・古畑選手の出場する「車いす陸上競技」の場合、大会で出したタイム（記録）をもとに世界選手権への派遣や代表選手が決まります。
こうした選手が目指す舞台に立つためには、競技によってさまざまではありますが、結果によって得られるポイントをもとにしたり、世界ランキングをもとにしたりと、どの競技でもまず記録が重要になってきます。

そこで私たちはもう一つアプリを作りました。「大会記録」アプリです。

「大会記録アプリ」とは

このアプリでは、各大会で出したタイムを大会ごと、種目ごとに記録し、一覧で見られるようにしています。

レコード記録画面はこんな感じです。大会名、競技開始日時、種目、記録、特記事項というシンプルなつくりです。

大会名については表記揺れが発生しないよう、出場大会管理アプリから取得できるようにしました。

種目はプルダウンで選択式に設定。古畑選手は100m、200m、400m、800mに出場しているので、この4種目の中から選ぶ形にしています。

さらにここに記録した情報は、「出場大会管理」アプリに関連レコードとして結びつけ、出場大会アプリでも見られるようにしました。
大会ごとの結果をまとめて見られることで、大会の振り返りをしやすくしています。日本記録や自己ベストの更新は目立つようなアレンジも。

このアプリを運用しているアルケア株式会社の古畑篤郎選手、小竹尚美さんに感想を聞いてみました。

💬古畑選手

『アスリートとして、「大会記録アプリ」は記録の可視化が簡単に行えるので重宝しています。
どの種目が伸びているのか、伸び悩んでいるのかが一目で分かるため、強化すべきポイントを考える材料の一つになっています。またちょっとした素敵機能として、「特記事項」に自己ベスト更新など入力すると色がつく機能をつけていただいたので、「色がついた！」とモチベーションアップにもつながっています！（もちろん分かりやすさもありがたいです）』

💬小竹さん

『所属パラアスリートの担当として「出場大会アプリ」はとても使いやすく活用しています。理由は、
①出場する大会の情報（日時、開催地、交通手段など）が１つにまとまっている
②開催地の場所の地図のURL入れておくと、ワンクリックで確認できる
③記録なども古畑に入れてもらうことにより、特に海外の大会などは素早く確認できる
④大会の前日にリマインドメールがくる
今後社員向けに共有することができれば、応援に行く際にこのアプリを見れば調べなくても会場の場所がわかります。最近はYouTube配信などもあるため、大会前日のリマインドと出走時間を知ることで見逃さなくなるかと思います。』

今後もおふたりと運用を重ねながら、使いやすく、よりモチベーションを上げられるような工夫やアレンジを進めていきます！

ライフスタイルや性格、記録したい内容に合わせてカスタマイズしていけるのが魅力

パラアスリートを応援するツールとしてkintoneをどう活かせるか…。kintoneがパラスポーツをどう変化させていけるか…？実際に活用してもらうことで、新しい使い方を生み出せそうな可能性を感じます。
また、実際に使っていく中で、より効率的に競技に向き合える方法を探し、アスリートライフのブラッシュアップを目指します。
多様な選手に役立ててもらうにはまだまだ時間が必要ですが、試行錯誤しながら研究を進めていきます。

パラスポーツに関心がある方、関わりがあるという方はぜひこちらのnoteにコメントをいただけると嬉しいです✏️よろしくお願いします❣️