見出し画像

言葉以上言葉未満

いつかのわたし、いまのあなた、複雑な自分を持て余しているすべての人と対話するための言葉以上言葉未満。

大好きな劇団どくんごの、ヤッシーことウスバカゲロウさんが、「言葉から意味すら無くしてしまいたいんだよね」と呟いたことが忘れられない。

わたしたちは言葉を使う。言葉があるから分かることもある。言葉があるから分からないこともある。言葉で全てが解釈可能なほど単純な世界ではないことを知っている。伝わらないもどかしさ。言葉があるから余計に伝わらない。言葉が怖い。表現するのが怖い。何かいうのが怖い。声が出ない。この声は、誰の声だろう。この言葉はほんとうにわたしの言葉だろうか。誰かが使っていた言葉だろうか。馴染みのある耳感触のいい言葉が自分の口からら出てくると、胡散臭さを感じる。

わたしたちは言葉を使い過ぎているような気がしてならない。
言葉でわかるくらいなら簡単だ。わからないから動かないのだ。動きたくなったら人は動くのだ。言葉でできるくらいならこんなに苦労しない。

自分のことを好きかどうか?そんなことは考えなくていい。
わたしはここにいる、という事実があるだけのことだ。

そしてそのことは全世界を想像できるくらい壮大で、見えないものが見えるくらいに繊細なことだ、という、それはそれは手に負えないものと、わたしたちはずっと付き合う。そしてそれがなにかと出会う。

言葉、が意味を持つのはそのときからかもしれない。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?