見出し画像

「#テレ東ドラマシナリオ」募集 ①案~(仮)「月が綺麗が伝わらなくても」~

皆さん、こんにちは。谷口です。

noteへの投稿がかなり空いてしまいました。今日はタイトルにもある通り、「#テレ東ドラマシナリオ」募集で作品を応募しようと思います。

【あらすじ】
ある日の昼休み、高校2年生の富田泰成はクラスメイトの水嶋ひかりを校舎裏へ呼び出し、必死の告白を行う。結果は惨敗どころか、「好き」の意味を聞かれる始末。しかし、その後の会話から推測すると富田が発する「好き」は他の人には知らない単語になる不思議な現象が身に起こっていた。その日の放課後、日直当番で一緒だった橘蓮花とひょんなことから話が弾み、話題は好きなアーティストの話へ。思わず「好き」という単語を出してしまった富田だったが、橘にはその意味がそのまま伝わっているようだった。特定の人にのみ「好き」が伝わらなくなる世界で人々はどのように考え、相手に伝えようとしていくのか、そんな問いを投げかけるような恋愛ドラマ。

「月が綺麗が伝わらなくても」

【登場人物表】
富田泰成(17)…主人公
橘蓮花(17)…主人公のクラスメイト

水嶋ひかり(17)…主人公のクラスメイト
川崎慶太(17)…水嶋の彼氏。別のクラス
その他


〇 高校 校舎裏 昼休み
富田泰成(17)がクラスメイトの水嶋ひかり(17)を校舎裏に呼び出し、告白をしている。
富田「好きです。付き合ってください。」
水嶋「(不思議そうな顔をして)うん?好き?好きって何?」
富田「え?好き?好きっていうのは…そうだね…何というか」
水嶋「うん」
富田「言い換えると…月が綺麗っていうか…」
水嶋「月?今お昼で月なんか出ていないけど」
富田「あ、はい」
水嶋「(ふうっと息を吐く)」
富田「好きっていうのは…そうだな…水嶋さんの見た目とか中身とかが」
水嶋「うん」
富田「いい感じというか」
水嶋「いい感じ?」
富田「そういうのがいいなって」
水嶋「はあ、ところで好きってどういう意味?」
富田「え?」
水嶋「日本語?聞いたことないんだけど」
富田「は?あれ?(どうなってるんだ?)」
水嶋「ごめん、初めから何言ってるか分からなくて」
富田「あ、そうですか」
富田、上を向いて考えた結果、かめはめ波を打つような素振りをして
水嶋「何してるの?」
富田「ん?いや、伝わらないかと思って」
水嶋が首をかしげる。遠くから川崎が水嶋を呼びかける
川崎「おーい、ひかり」
水嶋「あ、慶太」
川崎が近くまで立ち寄って来る。
川崎「あれ、富田じゃん。どうしたの?二人だけでこんなとこいて」
水嶋「うん、富田くんに呼び出されて」
富田「あ、はい」
川崎「ふーん、(富田をじーっと見て)そうなんだ。何だって?」
水嶋「なんか好きだって」
富田「あ、いや、その」
川崎「好き?何それ?」
富田「あれ?」
川崎「外国語?聞いたことないけど」
富田「あー、そうそう。水嶋さん知ってるかなーと思って」
水嶋「私知らなくて」
川崎「ふーん。じゃあもういいの?」
富田「あ、うん」
川崎「じゃあ行こうぜ、ひかり」
水嶋「そうだね。ごめん、知らなくて」
富田「あ、いや、全然」
川崎が水嶋と一緒に校舎に戻り、途中で手をつなぐ。
川崎「今日記念日だろ、これ、プレゼント」
水嶋「え、ほんとに?うれしい。ありがと。大好き」
川崎「オレも。大好きだよ」
富田、その後ろ姿を見て唖然とする。
富田「どうなっているんだ?」

(富田のナレーション)
どうやらその日を境に僕の「好き」という言葉は他の人に伝わる言葉ではなくなってしまったようだ。「好き」という言葉の生態について自分なりに経過を観測してみようと心に決めたわたくし富田であった。

〇高校 教室 休み時間
富田「へえー、じゃあ明日世界が滅ぶとしたら、最後の晩餐で何食べたい?」
クラスメイト男「うーん、何だろ。カレーかな。無難に」
富田「あ、カレーね、カレーは確かに外せないし、オレも好きだわ」
クラスメイト男「な、外せないよな。ん?好きって何?」
富田「ん?いや、ごめん、何でもない」
クラスメイト男「ああそう、でもなー寿司も外せないよなー」
富田「そうだなー。お寿司ねー。まずそんな時に握ってくれる人探してくるところからだからな」
クラスメイト男「はは、確かに」

〇同・教室 放課後
チャイムが鳴る。クラスメイトのほとんどは部活に行って教室には残っていない。残っているのは日直当番の富田と橘蓮花(17)の二人のみだ。
橘は日直の日誌を黙々と書いており、富田は椅子の背もたれに寄りかかり前足を浮かしている。
富田「橘さん、結構進んだ?」
橘「え、あ、うん」
富田「もう終わりそう?」
橘「あ、あともうちょっと」
富田「ん、そっか」
二人とも再び無言になる。
橘「(よしっと書き終えて)あ、終わりました」
富田「あ、終わった?どれどれ」
橘「あっ」
富田「(日誌をひょいと机からとって)橘さんってさ…」
橘「え、うん」
富田「字綺麗だよね、前から思ってたけど」
橘「あ、そ、そう?」
富田「(橘のカバンからウォークマンがあるのを見て)あれ?それウォークマン?」
橘「え、あ、うん」
富田「良いやつもってんね。イヤホンも」
橘「あ、これ?これはお父さんのお下がりで」
富田「へえー。趣味かー。何聞くの?」
橘「えーと、(操作する)」
富田「(画面のジャケットを見て)あれ、このバンド好きなの?」
橘「え、知ってる?」
富田「ん、ああそうだね。好きなんだ?」
橘「うん、2年前くらいからお姉ちゃんに勧められて、この間ライブも行ってきたの」
富田「え、ガレージ?」
橘「うん」
富田「それはうらやましい」
橘「へへ」
富田「オレも好きだけど、なかなか知ってる人周りにいないからね。意外だわ」
橘「私も一緒だ。ふふ」
富田「ん、あれ?好き?」
橘「ん?うん」

今後のストーリー展開
②結婚記念日を迎えた夫婦 メインキャラクター…富田の叔父、叔母
③推しのアイドル メインキャラクター…川崎の兄(アイドルオタク)
④髪を短く切った彼女 メインキャラクター…水嶋の友人
⑤エンディング メインキャラクター…富田、橘に戻る

の合計5部構成でなんとなく考えています。

毎日一緒にいる愛犬…橘が飼っている
集めている漫画作品…富田と橘が部屋でくつろぐシーン
片思い中のクラスメイト…富田と橘が両想いになるまで

以上も⑤に入れられるかとは思います。

⑤のエンディングでは「好き」という言葉が伝えられる富田と橘だが、なかなかその言葉が言えずに苦労する。しかし、最終的にはその殻を破って、富田が橘に告白し、ハッピーエンドです。

大麦こむぎさんの原案である「好き」という単語が消えた世界にはなっていないですが、伝わらなくなる世界で考えてみました。

もし、この内容が良さそうでしたら、ご採用のほど宜しくお願い致します。

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

※画像をお借りしました。ありがとうございました。