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駄目さも愛せるように
とにかく人前に出ることが苦手だった。
授業中、先生にあてられて、みんなの前で発言をすることも、ままならないで赤面してしまう少年時代。
バスケットボール部では練習中は上手なのでレギュラーになるものの、試合では失敗したくないので、パスがきてもすぐに返してしまう壁のような選手の中学時代。
そんな僕が変われたきっかけは、なぜ緊張するのか?について考えてみた事によって、僕の人生は大きく方向転換をすることになったのでした。
まずは緊張の理由を見つけるために、自分自身を観察したところ、緊張には下記の理由があることがわかりました。
1、みんなの前で失敗したくない。
2、みんなに良く思われたい。なんならモテたい (男子だから)
3、努力を怠っているから答える事ができない。
つまり僕はみんなからどう思われるのかと言うことばかりが先にあって、自分がどうありたいのかなんて事は、1ミリも存在していなかったのです。
隙あらば鏡で自分のことを見ているほどのナルシストではなかったけれど、やはり人からどう見られるかは気にしてしまう日々の中、谷尻少年は考えたわけです。
緊張をなくすことは出来ないけれども、緊張をコントロールすることは出来るはずだと。
そのために僕がやったことは
1、みんなの前で失敗してもよい。
2、みんなに良く思われなくてよい。
3、努力を怠っているときは素直に"解りません"と言う。
すぐにそのマインドになれなくても、続けていると不思議とマインドセットできるもので、ひとまずまわりを気にしない精神性を徐々に手に入れることが出来ました。(まわりを気にしないけど気遣いは必要です!)
すると不思議と、人前でも以前ほどは緊張しなくなり、あとはなによりも自分がなにを伝えたいのかと言う事について、より深く考える癖がつくようになったのです。
以前は、誰かと自分を比べて、自分の劣っていることばかりに焦点をあてていたのですが、次第に、人の良いところは見習いながらも、比べることはなく、自分の良いところに焦点をあてて言葉を使うことで、自分らしく人前でも話せるようになっていきました。
以後、僕は自分というPCのCPUの限界があること知り、恥じるのではなく、その分まわりの力を借りれば良いと素直に思うようになり、授業で言えば、わからないことは解らないと言うことで、以前よりも教えてもらう機会に恵まれましたし、バスケットでいえば、まわりの力を使うプレーを学んだことで、個人のプレーが一段と活きる結果となりました。
どこかで人はプライドがあって、知ったかぶりをしてしまったり、解らないをそのままにしてしまったりがあるけれど、そこを少しづつでも解消して行くことで、僕で言うならば緊張という苦手な要素との良い付き合い方を見つける事が出来ました。
いまは亡き、藤巻幸夫さんに生前に言われて、とても嬉しかった言葉があります。
谷尻くんは、他人の七光りだと
「親の七光りは、その家系の選ばれし人しか輝けない感じがしますが、他人の七光りであれば、自分の周りにどんな人がいるかによって、自分が輝くことも出来るよ!」 と。
だからこそ、僕は誰と限られた時間を過ごすのかということを丁寧に考えています。
誰かの悪口や不平不満を言う人と一緒にいると、自分も意地悪になってしまいそうですからね!
あがり症で、人前が苦手で緊張ばかりしていたおかげで、そのコンプレックスを超えると言う成功体験も手に入れましたし、いまでは何百人の前でも、少しは緊張するけれど、自分らしく話せる自分がいます。
そこには人目を気にしてばかりいた過去の僕とはちがう、駄目な部分も含めて自分のことを大切に出来るマインドがセットされた、生き生きとした自分がいました。
自分らしく生活すること、それは時には上手く行かないこともあるけれど、そのらしさを、必ずどこかで見てくれている人がいるものです。
そんな事を思いながら、緊張をマネージしたり、ストレスをマネージできる精神性自体をデザインしていきたいと思うのでした。
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