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2019年に読んでよかった本

せっかくなので読んだ本の感想をまとめてみようと思いました。ノリで。たくさん読んだのでブクログで☆を5個つけたものを選び出しました。

ファクトフルネス

今年の大ベストセラーなので知ってる・読んだことある人も多いかもしれない。「ファクトフルネス=データや事実にもとづき、世界を読み解く習慣」の内容といかに思い込みから脱するかということについて記載されている。SNSに煽情的な見出しや都合の良いデータの使い方が散見される中で一番持っておきたい心構え、それがファクトフルネスだろうなと思う次第。2019年のマストバイ書籍。

反共感論

出版されたのは2018年なので寝かせ続けてしまったけどファクトフルネスと通じるものがありそうと思い読破。著者の性格というか思想が随分漏れ出ていて癖がある気がするけど、いかに感情に流されずにいるべきか、「共感」ではない相手を慮る気持ちのありようについての説明は(自分が比較的感情的に流されがちという自覚もあるので)納得できるし学ぶところが多かった。

我々はなぜ我々だけなのか

近年アジアで大きく進んでいる原人(古代の人類。我々人類とはつながりはないとされる)の研究についての解説書。今世紀になってからのインドネシア・フローレス島での小型原人の発見以来の数々の新発見の連続について知ることができる。ここ20年くらいの学術研究の成果がぎゅっと濃縮されている本なので「マジで!」みたいな知的興奮がたくさん味わえるのが良い。そして、本のタイトルの答えは……(続きは本書にてw)

たった一人の分析から事業は成功する 実践顧客起点マーケティング

モノやサービスを作ったり売ったりするためにはとにかく一人の特定の具体的な人物に売ること(欲しいと思わせること)を徹底的に突き詰めるべき!としてそのための考え方・フレームワークなどを解説する本。いやマジでその通りなんですよね。誰かに「超ほしい!」って思わせるモノでないと売れないよ、と。ペルソナ・マーケティングっていう手法があってそれと似てるんではみたいな向きもあるけどあれもあくまでも「類型」でしかないのでそれこそ本当に実在する人の深掘りとは全く違う。結論を最初に言っちゃうタイプの本なんだけどそのあとの考え方も全部読ませる内容でとても良かった。ビジネスにフォーカスした本の中では2019年トップ。

両利きの経営

かつてベストセラーになった「イノベーションのジレンマ」という経営学書があった。既存大企業が自分たちの事業の延長線上で既存製品の深掘りをしているうちに市場に新たなプレイヤーが全く思いもよらない方向から参入してきて(破壊的イノベーション)市場を食われてしまう、という現象。しかしながら現代ではそういった越境するような破壊的イノベーションと既存の力を強化する持続的イノベーションを両立できる企業が強いのでは?という論理。進化と探索という2つのプロセスを両立する理論とその事例・方策に書かれた文章は知的刺激に満ちているしコンセプトとしての納得度が高い。良い本。

日本社会のしくみ 雇用・教育・福祉の歴史社会学

日本の雇用形態や働き方、人材に関する考え方、さらにはそれにつながる教育観みたいなものは独特だとよく言われる。しかしそれは独特であるにしても色々な歴史的経緯の積み重ねで出来上がったものなんだよ、という本。なんか色々納得する一方、物事を一気に解決させる方法はなさそうな気がしてくるしそもそもどこかに強いテコ入れすると一気に他にしわ寄せがいきそうな脆さも感じる。難しいね……

ケーキの切れない非行少年たち

丸いケーキを3等分してくれと言われたらおそらくみんなメルセデスベンツのマークみたいな模様を書くだろうけど、認知能力に問題ある子供たちはそうもいかずまず真ん中に線を引いて迷ったりしてしまうという。そういう子たちの多くは学校の勉強から早期にドロップアウトしてしまい非行に手を染めてしまい、さらには認知能力の問題から構成もうまくいかないという。こういう子は決してごく少数ではない(そういえば小6のクラスメートに九九ができない子がいたのを思い出した)。本の終わりの方でそういう子たちをどう引き上げようとしてるかを記載されていて救われた気持ちになったけど、自分が当たり前だと思っていうことは決して当たり前ではないということを再確認するに至った。


なお、ここで挙げた本は全部Kindleで読みました。iPadに山ほど入れて持ち運べるのでホント最高です。

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