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日本共産党の後援会ニュース向けの映画コラム4回目「ベイビー・ブローカー」(是枝裕和監督)

今年から書いてる地元地区の日本共産党後援会向けの映画コラム、4回目です。今回は読者の方からリクエストが来たとのことで、お応えしました。思ってたより読んでる人が多いことを知ったんで、評論家でも何でもないのでビビりながら書いてます。今回もFacebookとnoteに載せます。

社会を照らした映画に、いま学ぶこと。
「ベイビー・ブローカー」(是枝裕和監督)

今回は始めて封切り新作を取り上げます。本作ほど話題にならなかったのですが、是枝監督には「真実」というフランスとの共同製作作品があります。先行して黒沢清監督にも「ダケレオタイプの女」という映画があり、今後は国境を越えた日本人監督の映画作りが増えるかもしれません。

文字数の関係上あらすじ等の説明は割愛しますが、あらゆるシーンとカットに意味や物語上の必然が込められた秀作です。もう、オープニングのシーンから見過ごしてはなりません。ソヨンは雨の中赤ん坊を地面に置いて去ります。刑事スジンは、それをベイビー・ボックスに入れます。これが後に繋がるのですが、スジンは赤ん坊を助けたことになるわけです。しかもそれがラストにまで意味を持ってきます。サンヒョンの車のドアの調子が悪いとか免許証のシーンとか、あらゆるカットとシーンに意味が張り巡らされています。私には、スジンとソヨンの「女性」の映画にも見て取れました。

なお、コラムの趣旨として政治性や社会性に触れないといけません。そこで参考になるのが是枝監督が尊敬する世界的名監督ケン・ローチとの共著です。本の中で是枝監督が言ってますが、ローチ監督は自他共に認める社会主義者です。対して是枝監督はイデオロギー的なものに距離を取っているような発言をしてます。彼の映画に政治的なものを掘り下げるのは本意ではありません。ただ明確な特徴があります。「万引き家族」しかり、社会的な組織の人間が介入してくることです。この映画ではスジンのことです。スジンのセリフ「捨てる前は福祉。捨てた後は警察」に強い意味を感じます。

以上です。
リクエストが来たのがこの映画で良かったです。しょうもない映画で700字とか800字とか書きたくないんで。

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