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日本共産党の後援会広報向けの映画コラム3回目「真空地帯」(山本薩夫監督)

だいたい2ヶ月に1回のペースで原稿依頼が来るようになりました。地元地区の日本共産党後援会向けに書いてる映画コラム、3回目です。ネットへの転載を許可されてるので今回もnoteとFacebookに載せます。

自分の好きな映画をただ紹介するわけではなく趣旨があり、ネットや映画雑誌に書くのと違って必ずしも映画に興味がある人たちが読むとは限らないので当初は戸惑ったのですが、3回書いてやっとコツが掴めてきた気がします。でも、続くかどうかは読んでいる後援会の方々の反応次第です。

社会を照らした映画に、いま学ぶこと。
「真空地帯」(山本薩夫監督)

日本共産党創立100年が近いです。だったら、この監督を取り上げるべきだと思いました。日本共産党と言えば山本薩夫監督。

戦闘シーンや戦場を描くことで戦争を描く映画もあれば、戦時下で生きる人間を描く映画とかはたくさんあります。しかしこの映画は「帝国軍隊は、陰湿なイジメと暴力だらけだった」という映画です。1944年1月を描いているので、日本はもう追い込まれてる時期です。最初にいきなり「天皇陛下からたまわった軍服を着ておるのに」と言われ、上官からビンタされるシーンがあります。見直して文章を書くのが優先で調べる余裕が無かったのですが、監督自身の体験が反映されてるとか。参考までに、新日本出版社から「私の映画人生」という本が出てるそうです。

一見、陰険で暴力的な人間ばかり出てくる男臭そうな映画に見えるのですが、愛する女性と思われる人との淡い巡り合いを描くのが輝いています。

社会主義の本を読んでるのが見つかると「アカ」呼ばわりされて殴られるシーンもあるかと思いきや、「共産党宣言」をきっかけにちょっとした優しさを描くシーンも入れるのが山本薩夫監督の作家性かもしれません。「共産党宣言」に関しては、不破哲三氏が語った論考がネット上の赤旗の記事で読めます。

なぜ山本薩夫作品からこれを選んだかと言うと別に理由があります。もう25年以上前の話ですが、受験勉強から逃げるために推薦である私立高校に入学しました。すると明らかに右翼の学校で、入学早々山奥の施設に一週間閉じ込められ、ニセ軍隊みたいな生活をさせられました。腹が立った私は他の生徒に迷惑をかけない程度に反抗していたら、ホウキの持つ部分で頭を殴られたりしてました。

戦争する国にしてはいけないと学べます。

1952年キネマ旬報ベストテン第6位。


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