オーボンクリマ生産者来日試飲会に行ってきた話
どうも、丹治-Ricky-です。
桜が咲き誇るこの季節、暑くもなく寒くもない華やかな色が入り乱れるこの季節は何回到来しても気持ち良いですよね。さて、先日オー・ボン・クリマ(以下ABC)の生産者来日試飲会に参加させていただきました。場所はwine market party、3850円で事前予約して参加。
会場について
wine market partyは恵比寿ガーデンプレイスの中にある大規模なワインショップ。サントリーが後ろにおり、陳列されているワインの状態も悪くないとのことでかなりの優良店。
毎週月曜、火曜にはブラインドティスティングが行われていたり、毎週高級ワインがお得な価格のグラスワインで提供されていたりとワインラヴァーにとってはまさにパーティ会場でです。
概要
きっかけ
ワイン歴2年目に到来したものの、勉強しても、飲んでもわからないことだらけなのがワインというモノ、その中で「自分の好きな赤ワインってなんだろう」ということをよく考えます。一応、外部用に赤ワインも白ワインも総じてミネラル感と果実感のあるワインが好きです。
その中でサンタバーバラのワインというのはこれまで全く飲んだことがなく、ずっと気になっていた産地の1つでした。サンタバーバラは地中海性気候のため、夏は雨が少なく、冷涼。なのに日照時間は東京と比較すると1.5~2倍も差があるという南の国らしくない気候特性を持っています。
そこで育つブドウは十二分な日照量によって完熟し、冷涼な気温は適切な酸味の保持に寄与します。その結果、まるでブルゴーニュのようにエレガントで果実味豊かなワインが仕上がるということです。
サンタバーバラが気になったきっかけとなったワインはこの白ワイン、Star Lane Vineyard Sauvignon Blanc Happy Canyon of Santa Barbaraです。ソーヴィニヨン・ブランの産地飲み比べをした際にボルドーブランとこれを見事に間違えました。アメリカ美味しくね?
最近、サンタバーバラのジンファンデル(プリミティーボ)を飲む機会もありました。実は当方、そこまでジンファンデルの甘ったるさが好きではなく、ワインを選ぶ際に選択肢としてあまり挙げない品種の1つでした。Primitivo Di Manduria Poggio Le Volpiとかは炭酸とかレモン水で割って飲みたいとさえ思います。ただ、ここのジンファンデルは甘ったるさが無く、ジンファンデルなのにエレガントと称して良いくらい綺麗なワインです。これで3,000円以下、拍手喝采です。
そんなわけで、自分の嗜好に合致しているようなワインが多くあるサンタバーバラにて超有名なABCに対し興味を持ち、今回参加させていただく運びになりました。
試飲会風景
10名の参加者が大きなテーブルを囲んで試飲し、説明を受けました。各ワインに適切なグラスが用意され、両面印刷の資料をもとに説明が行われます。
↑今回のラインナップです。今回は白白赤赤赤の五本立てで、ピノ・ノワールに焦点が置かれた会でした。説明を見て思ったのですが、ABCはいろんな畑で採れたブドウをブレンドしてクオリティの統一を行なっていて、一方で買付も行い、優良畑に限っては単一畑でワインを作っているんですね。
ノックス(単一畑)とイザベル(ブレンド)は味の方向性が大きく異なり、ノックスはまるで堅気な頑固職人、イザベルは万人受けするアイドルのような印象。
多分ノックスは単品だと最初から魅力的に感じる方は少ないかもですが、飲み比べることによって単一畑の特徴を映し出すノックスの良さをより引き立っていました。イザベルはまるでミュジニーを彷彿させる果実感で、これが1万円以下でいいの?とさえ思います。
ラームドグラップはマジでやばかった(語彙力)。
ABCは地図の3つの畑のブドウをメインにワインを作っているとのことです。先述のスターレーンヴィンヤードはハッピーキャニオンにあります。サンタバーバラの地図を見る機会ってあまりないので新鮮でした。
参考:
サンタバーバラの栽培条件に関する記事
質疑応答
以下3点の質問がありました(③は私からの質問です)。ABCでは三角形ラベルのシリーズの他、クレンデネンファミリーというシリーズも展開しています。
クレンデネンファミリーシリーズのシャルドネはyoutuberでお馴染みのソムリンtvの方にもブラインド飲んでいただいたところ絶賛されたシリーズです。
そんなクレンデネンファミリーシリーズですが、ジム逝去を機に廃止されると言う噂がありました。しかし、日本でこの情報に関して触れている記事はありません。ですので今回、イザベルに直接教えてもらいました。
①醸造方法の変化
Q:
ABCのワインは20年前と今飲んだ印象が違っている。なにかしら醸造方法に変化があったのか?ちなみに昔は産が強かった印象だったが、今は果実感があって今の方が好きだ。
A:
まず、昔の方が良いと言われなくてまず安心した。
今も昔もジムクレンデネンの思想の下に醸造を続けており、これといった変化はないと思う。ただ、技術革新という観点では、現在化学的なアプローチのできるエンジニアを雇うようになった。そのエンジニアは何回か入れ替わっているものの、根本的な思想に変化はないのでワインの大きな変化はしていないかと思う。その他、強いて言うのであれば、ここ10年でHPを刷新したことくらいかな。
著者による補足:
ワインは醸造工程以外にも、その年の出来やできあがったワインを輸送していく中での劣化、保存時の熱劣化など、いろんなファクターがあるため、一概にはこれだとはいうことはできない。質問者は20年前に飲んだとのことなので、同条件で飲んでいるかどうかは怪しい。
③ワインの名付けに関する裏話
Q:
三人目の子供が生まれたらどのワインに対し名前を付けたかとか裏話はありますか。
A:
イザベルが生まれた時にはジムは45歳だったので、そもそもノックスが生まれてくるとはおもっていなかった。なのでノックスの段階でも結構悩んだようなので、三人目なんてもっと悩んだだろう笑
③ABCのECサイトをりようして日本からワインを直で購入できるか?
Q:
HP上にはECサイトがあると思うが、日本からそこで購入することは可能か?
A:
購入できない。
④『クレンデネンファミリーシリーズ』の今後について
Q:
『クレンデネンファミリーシリーズ』はもう造られないって聞いたけど今後どうなるの?日本での購入経路は?
A:
ABCでは今後、オー・ボン・クリマとクレンデネンと2つのシリーズに分けて展開していき、オーボンクリマではシャルドネとピノ・ノワールを、クレンデネンではローヌ品種をはじめとしたチャレンジワインを進めていく予定である。
ECサイトを見るとわかるとおり、日本に入ってきているクレンデネンシリーズもあるが、生産本数的に輸出ができていないワインも少なからず存在する。
もし購入したい場合は本国サンタバーバラにあるABCのテイスティングカウンターに来てほしい。イザベルは特に予定がなければここにいる。そこでならオーボンクリマのワインのほか、生産本数的に日本に輸入されていないクレンデネンシリーズも購入可能である。
ABCでは醸造所見学をしておらず、非公開としている。そのため、ABCのワイナリー自体に来ても外観と周辺の葡萄畑しか存在しない。なのでもし来るときはワイナリーではなく、テイスティングカウンターへお越しください。問い合わせや予約はHP(アメリカ)から受け付けています。
余談1:ABCのHPの検索方法
①facebookからHPに飛ぶ
②直接以下から飛ぶ
ABCのグルナッシュとか、ヴィオニエ、飲んでみたいですね。
余談2:中川ワインのABC取り扱いラインナップ
以下PDF参照
https://nakagawa-wine.co.jp/winery/au_bon_climat.pdf
余談3:試飲会の後イザベル購入しその日のうちに開けました。
試飲会の後に結婚おめでとう会があり、その際にブラインドとして出さしていただきました。
ピノ・ノワールは全員一致したのは想定内で、問題は産地当て。個人的にはフランスのシャンポール・ミュジニーに振ってくれればしめしめと思っていたものの、ジュブレ・シャンベルタン、南アフリカ、NZ(後ほどABCだこれと発言)、ソノマ、サンタバーバラ(ABC)、サンタバーバラ(ABC)、と言う感じでシャンポール・ミュジニーがゼロ。みんな凄すぎなんや、、、
その後の感想戦。なぜシャンポール・ミュジニーにいかないか聞いてみると、果実感が新世界とのこと。イザベルは完全除梗のため、かなり果実味が前面に出るように感じる特徴はあるかなと思います。ただ、何かしら目的を持ってブラインドを依頼すると何かしら発見が得られるので引き続きブラインド力を鍛えていこうと思います。
ここまで。
ご拝読ありがとうございます。
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