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彼女の歌声

 さっきお風呂に入っている時にふと、『Coda コーダあいのうた』という映画のことを思い出しました。素晴らしい映画だったのでご覧になられた方も沢山いらっしゃると思います。私もこの映画を観てとても感動しました。

 美しい歌声を持った少女のお話です。彼女の家族は耳が聞こえず、そのために苦しい生活をしているのですが、明るくて、のびのびと生きています。そういう家族と暮らしながら彼女は歌うことに目覚めていって歌手になる夢を見ます。サークルの先生に才能を見出されて特訓してもらうようになるのだけれど家族は理解してくれません。彼女の家族には彼女の歌声は聞こえないからです。彼女の歌声は本当に素晴らしく人の心を打ちます。そうして紆余曲折の末彼女は夢を叶える入口に立ちます。

 そう。
 夢を叶えるって、そんなに簡単なことではないし、もし何かの形で叶ったのだとしても、そこがゴールではありません。それでも、その入り口にさえ立たないまま人生を終えてゆく人も沢山いるような気がします。生きるって大変です。どんな人の人生も完璧なんてあり得ないし、何かを実現しようとしたら難しいことの連続にしかならないことも沢山あります。私自身、時々わからなくなってしまいます。本当は何が自分にとって正しいのか。どうすることが正解なのか。難しすぎて逃げ出したくなることも正直あります。今まさにそんな感じです。でも、だからこそ、前に進んでゆく努力をやめてしまってはいけないと思うのです。どうせまた同じ望みを追いかけてしまうに決まっているのですから今やめても無駄なだけです。そして周りの人なんて変わってくれるわけがありません。

 『Coda コーダあいのうた』のヒロイン、ルビーも同じでした。
 彼女の家族は最初、彼女が歌手になりたいという夢に理解を示してはくれませんでした。彼女自身もなれるとは考えていない時期もありました。そんなに簡単に現実は変わってはくれません。経済的なこともそうですし、置かれた立場も様々で、周りの理解が得にくいのもみんな同じだと思います。
 実際私がほんの小さな子供の頃、あまり深く考えないで母に向かって「大人になったらお話を書く人になりたい」と話したら、烈火のごとく怒って即「絶対に駄目!」と言われました。今振り返ってみると、その頃の母は、舅姑小姑たちに囲まれてまったく自由がない状況で自分の母親と子供二人を守るために孤軍奮闘している最中でした。その頃の父は仕事と家庭を守るために横のつながりを作るべく同業者との付き合いと長時間の仕事に明け暮れていて母をサポートする余力なんて全くない状態でした。どうにもならない状況の中でみんな苦しい思いをしているのは誰だって同じです。そこからやっと解放されて別の暮らしをするという時になって、思いもしない大変のことに巻き込まれてしまったことが、今私が苦しんでいる原因です。

 だから私、周りも誰も守っても協力してもくれないけれど、自分の夢を叶えるべく努力しようと考えました。無謀過ぎて果てしなすぎて自分でも時々あきれてしまうのですが、それでもです。

 ヒロインルビーの歌声をそうっと思い出す度に、心がきれいに洗われていき自分の周りのいろんなことが美しく感じられるような気がします。彼女の声には人の心を動かして変えてゆく、そういう力が備わっているのです。そういう彼女の可能性を見抜いて、その力を未来につなげるために導いてくれた先生がいて、彼女を支えていくれた友達がいて、最終的に彼女の夢を応援するために動いてくれた家族がいて、その人たちのおかげで、彼女は歌手になる夢の入り口に到達できました。だけどまだ、入り口です。


彼女はきっと後悔のない人生を送るはずです。本当の試練が彼女を襲うのはこれからなのかもしれません。それでもです。そしてそういう試練の中で彼女は磨かれ続けていって素敵な大人になるんだろうと思います。最終的にどんなふうになるのかは、そうなった後にしかわからないけれど。

 最後までわからない。
 それが現実で、その現実はそうなってしまうまでわからない。

 そんな心許ないことを必死になってどうにかしようとしている時点で私は少しだけ普通の人から逸脱してしまっているのかもしれないんですが、それでもそれをする以外にどうしようもない状況にいる。やっぱり本当は母の言葉に従っていたほうがよかったのかもしれないと思う瞬間もないわけではないのだけれど。でも、頑張りたくて続けています。

 もうじき終わっていく2022年。
 皆様にとってどんな一年でしたか?
 私にとっての2022年は、なんだかとてもめちゃくちゃであんまりいい年ではなかった気がします。今もずっと困らされています。でも。きっとこの状況を乗り越えて変えてゆけると信じています。

 そうして自分以外の人を変えることはできないし、変えることができるのは自分の行動や思い方しかないことも悲しいけれど受け入れていくしかないということもあらためて知りました。

 私のことをわかってくれる人は今、身近にはいないけれど、新しい年の目標としてそういう人といられるようになりたいと考えたりしています。でもそれは自分ではどうにもできないことでもあるし、それよりもまず、自分自身で自分のことを大切にできてこれから生きていくことに一生懸命になることや本当に目指すことに向かって行動できる自分に変わっていくことの方が大切だと思うので、そのために自分にできることを一つずつ一つずつ行動していくしかないとも感じています。

 行動がr伴わなければ絶対に何も変わることはありません。
 だから行動するのを止めないために私は引っ越しをしました。

 そうして新しいことを始めるための新しい努力を始めています。

 それがどんな形になっていくのか今はまだわかりません。
 でも何かきっといい方向に進んでいくことがきっとあるはずなんです。

 あ、年越し蕎麦。
 早く買いに行かなくちゃ。

 ヘッダーのイラスト、みんなのフォトギャラリーからお借りしました。
 ちょっとだけ幾多りらさんっぽいでしょ。

 彼女の歌声が大好きなので載せてしまいました。

 大晦日、もう今年も終わりですね。

















































































ありがとうございます。 嬉しいです。 みなさまにもいいことがたくさんたくさんありますように。