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『何とかならない時代の幸福論』ブレイディみかこ 鴻上尚史

読んだ。『何とかならない時代の幸福論』

・イギリスでは、多様性や自主性・子どもの権利について教育する体制が確立されている。一方でイギリスは経済格差が激しく、私立と公立の学校間の分断や、経済格差による知的格差のみならず身体能力の格差も激しくなっている。日本の保育園や義務教育は、異なる環境や階層の家庭が触れ合えることが良いところ。

・日本では、利害関係がある人たちで構成される「世間」と、その外部にある「社会」が分断されている。その帰結として、日本人には社会に対する信頼が足りない。

・違いがあっても不公平な扱いはしないという「equality」と、同じであることが正しいという「sameness」。前者は社会的共助を生み、後者は自粛警察(同調圧力)を生む。

・「シンパシー」は、感情的に同情したり共鳴すること。「エンパシー」は、相手の立場に立って想像する能力。エンパシーは能力なので伸ばせる。「コミュニケーション能力」とは、揉めたときになんとかできる能力。

・虐待や育児放棄をされた子どもは、感情を伝えたり読み取る懐炉の発達が遅れている。イギリスでは演劇教育によって補完しているが、日本には演劇教育自体が存在しない。ロールプレイ(役割演技)=エンパシー。演劇を通してコミュニケートを学べる。

・コロナ禍によって「ブルシットジョブ(あってもなくても誰も困らない仕事)」が浮き彫りになった。一方でシットジョブ(エッセンシャルワーカー)がヒーロー視されるようになった。

・今はブルシットジョブをしながらSNSをする " ながらカルチャー " が主流になっていて、
それが他のメディアや表現形態にも大きな影響を与えている。Twitterこそ「世間(エコーチェンバー)」の集まり。分断と対立を煽る道具になっている。

・みんなやっぱり、何とかしなきゃって思っている。突破口が見つかれば、それをきっかけにいろんなことが変わるかも。しかし、一時しのぎのドラッグみたいに「希望」という言葉は使いたくない。

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